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◇ No.28 (2014/6/13)
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田所聖志『秩序の構造―ニューギニア山地民における人間関係の社会人類学』を語る
メラネシアの人々がつくりだしている人間関係の秩序を、「村の中」「村の外」「儀礼の場」
という3つの場に与えられた意味の違いに注目して考えたエスノグラフィーです。
本書では、テワーダの人々が「私たちの考え方」として「村の中」で語る内容と彼らが
「村の外」や「儀礼の場」で実際に行う活動には大きな齟齬があり、その齟齬を、メラネシア研究
の知見に引きつけながら整理しようと試みました。テワーダ人の活動や考え方に、私たちと通じる
点も見いだし人類の普遍性と差異について考えるきっかけになれば幸いです。
なお、第5章で書いた集団魚毒漁は、世界的にも詳細な報告の少ない珍しい記録だと思います。
東京大学出版会 2014年4月
http://www.utp.or.jp/bd/978-4-13-056308-6.html