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◇ No.31 (2014/7/25)
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馬場淳『この子は俺の未来だ――パプアニューギニア&ケニア
“つながり”の文化人類学』を語る
本書のタイトルは、パプアニューギニアの小さな島の父親が自分の子どもを撫でながら語った
実際の言葉です。今、愛情をかけてこの子を育てているのは未来の自分への投資だと明言して
いるわけです。「情けは人のためならず」と聞いて育った私たちでも、さすがに自らの子育てを
そんな風に捉えていないはずです。
その他、本書には、呪いや割礼を経験するケニアの子どもたちなど、衝撃的なエピソードや
考え方が盛り込まれています。このような異文化の論理を知ることは、私たちを偏狭な固定
観念から解き放ち、より幅広い視野で子どもに向き合うことを可能にしてくれるはずです。
本書は、そんなきっかけを与えようとするフィールドワーク・エッセイです。
佼成出版会 2014年7月
http://svrec01.kosei-shuppan.co.jp/product.jsp?id=21649