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自著を語る

ポスト・スハルト期インドネシアの法と社会―裁くことと裁かないことの民族誌

高野 さやか (著)

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◇  No.48 (2015/4/24)
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高野さやか『ポスト・スハルト期インドネシアの法と社会』を語る

文化人類学はこれまで国家による法の外部としての慣習法の展開に注目してきましたが、これは従来の
法学では法制度の機能不全として問題視され、改革が進められてきました。しかし現在、これらの視角とも
異なるような、司法制度に日常的感覚、市民感覚を生かそうとする動きも進行しており、法と社会をめぐる
状況は大きく変化しつつあるといえます。

本書ではこうした現状をふまえて、国家の法や司法制度と慣習法が現在どのようにかかわりあっているのか、
そして法にまつわる概念がどのように流通しているのかについて、インドネシアの地方裁判所で行った
フィールドワークをもとに記述しました。

『ポスト・スハルト期インドネシアの法と社会―裁くことと裁かないことの民族誌』三元社 2015年2月
http://www.sangensha.co.jp/allbooks/index/378.htm