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◇ No.50 (2015/5/22)
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鈴木正崇『森羅万象のささやき――民俗宗教研究の諸相』を語る
民俗宗教とは教祖・教典・教団から構成される「宗教」概念とは異なり、この三つの構成要素がないものも
広く「宗教」に包摂する拡張概念である。本書はキリスト教とは異なる歴史と文化をもつ社会に、西欧由来の
「宗教」概念を適用しようと試みた時に起こる違和感を克服し、世界各地で根強く維持されている民衆の宗教
文化の比較研究の可能性を提示する。
第1部の海外編では南アジア、東南アジア、東アジア、中南米、アフリカに関する論考を18本、第2部の日本
編では神と仏、巡礼と講、祭礼と風流、民俗芸能、沖縄に関する論考を18本、第3部は理論と実践の論考を
6本、総計で42本を収録した。本書は文化人類学・宗教学・民俗学の立場に基づく民俗宗教研究の到達点と広がりを示す。
風響社 2015年3月刊
http://www.fukyo.co.jp/book/b195514.html