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◇ No.53 (2015/7/3)
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森川裕貫『政論家の矜持
――中華民国における章士釗と張東ソン*の政治思想』を語る
政治について何をどのように語るのか、いまのわれわれにとっても決して無関係ではないこの問題を、
20世紀前半の中国を生きた多くの知識人は、真剣な思索の対象としていました。
本書はそうした人々のなかから、章士釗と張東ソンという二人の人物に着目し、その主張に検討を加えた
ものです。章と張は、中国のあるべき政治制度や自由主義について、国内外の学説を吸収して質の高い
議論を積み重ねており、その言論は当時、大きな反響を呼びました。憲政などの論点に関心が寄せられて
いる近年の中国でも章と張の存在は注目を集めつつあり、彼らの議論は今後も広く参照されてゆくものと
思われます。
日本ではまだあまり知られていない章と張について、本書の議論により理解を深める手がかりを提示でき
たらと考えています。
勁草書房 2015年1月
http://www.keisoshobo.co.jp/book/b186360.html
*ソンは〔くさかんむり+孫〕