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◇ No.55 (2015/7/31)
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倉田明子『中国近代開港場とキリスト教
――洪仁玕がみた「洋」社会』を語る
中国にとって近代とはいかなる時代だったのか。その答えはひとつではない。だが少なくとも、その好むと
好まざるとにかかわらず、「西洋」と関わりを持たざるを得なくなった時代、とは言えそうである。
本書は、19世紀前中期の中国の開港場でキリスト教を含む「西洋知識」がどのように伝播し受容されたか、
そして受け手となった知識人たちが太平天国や洋務運動のなかでそれをどのように発信したのか、を明らか
にしようとしたものである。登場人物が多めの本書であるが、有名無名の人々によって作り出される歴史の
一端を感じていただければと願っている。
東京大学出版会,2014年8月刊
http://www.utp.or.jp/bd/978-4-13-026150-0.html