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◇ No.59 (2015/10/9)
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Timur Dadabaev『Identity and Memory in Post-Soviet Central Asia』を語る
本書はソ連時代を生きた中央アジア・ウズベキスタンの高齢の人々に対しインタビューを実施し、
彼らの過去の出来事の記憶を通して彼らの歴史のみならず現在に対する考え方を明らかにすることを
目的とする。本書は各章を通して特に中央アジア・ウズベキスタンにおけるソ連時代とその後の
イデオロギー、政治、民族、宗教、ソ連時代に対するノスタルジーと地域社会の変容を分析する。
ソ連時代の記憶は、ソ連解体から20年を経た現代においても、現代史の理解や人々のアイデンティティに
おいて重要な意味を持っている。人々の記憶は、ソ連史学や新独立国家のナショナル・ヒストリーにおける
現代史認識や叙述を相対化する史料となりえるとともに、語り手が現在持っているアイデンティティの表現
でもある。ソ連時代の記憶は今記録しておかなければ、永久に失われることは明らかであり、ここに本書の
意義と緊急性がある。
Timur Dadabaev, Identity and Memory in Post-Soviet Central Asia:
Uzbekistan’s Soviet Experience, Oxon: Routledge, 2015, pp.256.
http://routledge-ny.com/books/details/9781138831469
目次など詳細については以下を参照。
https://www.academia.edu/7897732/_1_2015_Identity_and_Memory_in_Post-Sov…