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◇ No.63 2015/12/4
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石坂貴美『バングラデシュのマイクロ医療保険:
貧困層のセイフティ・ネット戦略を探る』を語る
貧困層は、傷病、災害、犯罪被害等のショックに見舞われるリスクを
より多く抱えている。また、ショックに対する対応策も乏しい。
そのため、マイクロファイナンスの融資に付随する医療保険は医療費
の1割程度しかカバーできないが、「ないよりはまし」として評価され
ていた。
一方、より選択肢がある融資、貯蓄サービスを巡っては、複数の
サービスを比較し戦略的に選択して利用し暮らしを守る例もみられた。
このようなセイフティ・ネットのニーズに応えることが、競争が激化
するマイクロファイナンス機関側の生き残り策ともなりうるであろう。
本書は、貧困層への金融サービスが改善され、セイフティ・ネットの
選択肢が拡大することを願って執筆した一冊である。
風響社 2015年10月刊
http://www.fukyo.co.jp/book/b211044.html