ASNET -東京大学 日本・アジアに関する教育研究ネットワーク--

自著を語る

インダス文明の社会構造と都市の原理

小茄子川 歩 (著)

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◇ No.83 2016/11/25
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小茄子川歩『インダス文明の社会構造と都市の原理』を語る

本著は、紀元前2600年頃に、パキスタンおよび北西インドを中心とする地域に成立した
南アジア最古の文明社会―インダス文明を研究対象として、都市の普遍的な側面を考究した
専門書です。「都市とはなにか」という人類普遍の問いに、本著では次のように答えました。

都市とは、人間があるタイミングで、互酬原理からの脱却を目指し、商品交換の本格化を
実現させるために、無縁の地に創りだした人為的な空間である。そしてその空間は、「無縁・
商品交換・市場」「中心性・集約性・創造性」「互酬原理と市場交換原理の差異を親和的・
双方向的に「同調」させる自律的な機能」をその性質(=原理)として有している。

著者の専門は考古学ですが、本著は関連諸分野の方にも楽しんでいただける内容であると思います。
「都市」および「インダス文明」について理解を深めたい方にぜひ読んでいただきたい一冊です。

同成社、2016年9月
http://www.douseisha.co.jp/book/b250399.html