データベース「世界と日本」(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] ウクライナ情勢に関するG7首脳声明

[場所] モスクワ
[年月日] 2014年3月3日
[出典] 外務省
[備考] 外務省仮訳
[全文]

 我々,カナダ,フランス,ドイツ,イタリア,日本,英国,アメリカ合衆国の首脳並びに欧州理事会議長及び欧州委員会委員長は,本日,ロシア連邦によるウクライナの主権と領土の一体性の明確な違反を共に非難する。これは,国連憲章及びロシアとウクライナの間の1997年の地位協定に基づくロシアの義務に違反するものである。我々は,ロシアに対し,ウクライナとの間の現在の安全保障上又は人権上の懸念について,直接の交渉及び/又は国連又は欧州安全保障理事会(OSCE)の支援による国際的な監視又は仲介により対処することを求める。我々はこれらの努力を支援する用意がある。

 我々はまた,全ての当事者に対し,最大限の自制と責任をもって行動し,緊張を緩和することを求める。

 我々は,ウクライナにおけるロシアの行動がG7及びG8が立脚する原則及び価値に矛盾していることに留意する。したがって,我々は,本日,6月にソチで予定されているG8首脳会合の準備に関係している活動への参加を,G8で意味のある議論を行う環境に戻るまで,しばらくの間,停止することを決定した。

 我々は,ウクライナの主権と領土の一体性及びウクライナ自身の未来を選択する権利を支援するために結束している。我々は,ウクライナの統一,安定及び政治的経済的な健全性を回復するための同国による努力を支持することを約束する。このため,我々は,ウクライナがIMFと行っている新たなプログラムの交渉及び必要な改革の実施のための作業を支持する。IMFの支援は,世銀,その他の国際金融機関,EU及び各国から追加的支援を得るために不可欠である。