データベース「世界と日本」(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 法人及び法的取極めの悪用を防止するための日本の行動計画(第39回ロック・アーン主要国首脳会議‐G8サミット)

[場所] 
[年月日] 2013年6月18日
[出典] 外務省
[備考] 仮訳
[全文]

 日本は,犯罪活動とテロリズムに対処すべくグローバルな協力関係を強化するために,改訂FATF 勧告と整合的な形での資金洗浄・テロ資金供与対策の実施が極めて重要であることを強く認識している。法人の透明性向上は,このような共同努力において不可欠な要素の一つである。このため,G8 各国が協力を強化するとの精神に則り,日本は以下の行動をとることにコミットする:

■ 法人及び法的取極めが資金洗浄・テロ資金供与等に利用されることを防止する観点から,現行の制度を充実させることによって,法人が、自らを所有し支配する者を確認することを前提とし,あわせて,当局が法人の実質所有者情報を確認することができるよう制度を整備する。

■ 信託の受託者が信託の受益者及び委託者の情報を含む実質所有者を認識すべきであることを前提に,当局が信託に関するこれらの情報にアクセスし,外国当局と共有することができる仕組みについて,資金洗浄・テロ資金対策に関する国のリスク評価を踏まえ,検討する

■ 現在,FIU(資金情報機関)が関連法に基づき作成,公表している年次報告を抜本的に充実させ,FIU を所管している警察庁を中心とし金融庁等の関係省庁からなる作業チームを設けて,2014 年末までに資金洗浄・テロ資金対策に係る国のリスク評価を行う。

■ 透明性を阻害するおそれのある金融商品や株式保有形態が悪用されないための措置が講じられていることを確認する。

■ 日本において法人の設立を支援する者に対する監督及び法の執行の充実を図る。

■ 特定事業者(金融機関及び指定非金融業者・職業専門家)が,顧客管理を含む,国内の資金洗浄・テロ資金対策に関する義務に違反した場合には,関連法令の規定に則り適切な制裁を講じることを確保する。

■ 法人の基本情報及び実質所有者に関する情報を適時かつ実効的に交換することを含め,国際協力を向上させる。