データベース「世界と日本」(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] イラク(第31回グレンイーグルズ主要国首脳会議‐G8サミット)

[場所] グレンイーグルズ
[年月日] 2005年7月8日
[出典] 外務省
[備考] 外務省仮訳
[全文]

1.我々G8諸国の指導者は、2005年1月の国民議会選挙以降のイラクによる進展を歓迎し、民主的に選出されたイラク移行政府を支持する。我々は、国連安保理決議1546に定められたように、また、イラク移行施政法(基本法)に沿って、イラクの移行プロセス完了を支援することにコミットする。

2.我々は、主権を有し、民主的、多元的、連邦制の、統一的な、人権が完全に尊重されるイラクに対する完全な支持を表明する。政治プロセスは、国家的統一,和解及び暴力の放棄を基礎として、透明性があり、かつ、イラクのすべてのコミュニティを包含すべきである。我々は、イラクに対し、新しい憲法の下での政府樹立のための国民選挙を2005年12月15日までに実施することを最終目標とする基本法に明記された政治日程を遵守するよう奨励する。

3.我々は、イラク政府の要請に応じ、また、国連安保理決議1546に具体的に示された権限に沿って、包括的、参加型で、かつ透明性のある政治的移行の促進における国連の主導的な役割を歓迎し、支持する。我々は、国連に対し、国際社会と協調しつつ、その関与を増大させるよう奨励する。

4.我々は、すべてのテロ行動、特に市民並びにイラクの安定・法の支配を確立するために取り組むイラク人及び外国人に向けられたすべての暴力を強く非難する。我々は、駐バグダッド・エジプト大使殺害への怒りと悲しみを表明する。我々は、地域諸国に対し、国境を越えた通行及びテロリストへの支援を防止し、地域の治安を改善するために、イラクと協力するよう求める。我々は、国連安保理決議1546により権限が与えられたイラクにおける多国籍軍(MNF‐I)の継続的なプレゼンスに対するイラク移行政府の支持に留意する。我々は、イラクの治安部隊が可能な限り早期にイラクの治安の責任を担うことができるよう、同治安部隊の能力を確立するためのイラクの努力を支持する。

5.我々は、2004年11月のパリグラブ{前3文字ママ}合意の条件を実施することにより、イラクの債務を削減する意思を再確認する。我々は、他の債権者に対し、2004年11月にパリクラブのメンバーが合意したものと同等又はより一層寛容な条件で、債務を軽減するよう求める。我々は、イラクが、世界貿易機関(WTO)など、関連国際経済機関へ参加することを支持する。我々は、世界銀行及び国際通貨基金に対し、可能な限り早期にイラクにおける効果的なプレゼンスを確立するよう奨励する。

6.我々は、イラクの復興においてイラクの人々を支援することにコミットする。我々は、80を超える国及び国際機関が参加して、米国及びEUの主催により、6月22日、ブリュッセルで開催されたイラク国際会議を歓迎し、その結論を強く支持する。具体的には、我々は、各国に対し、2003年のマドリッド会議でのプレッジのうち実行されていない部分を拠出し、イラク復興のための更なる貢献を行うよう奨励する。我々は、2005年7月18、19日の死海でのイラク復興信託基金の会合を歓迎する。我々は、同会合の参加者に対し、イラクの優先順位に従って援助のプレッジをフォローアップし、バグダッドにおけるイラク主導のドナー調整プロセスへの完全な支持をプレッジするよう奨励する。