データベース「世界と日本」(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 拡大中東・北アフリカとの前進と共通の未来に向けたパートナーシップ(第31回グレンイーグルズ主要国首脳会議‐G8サミット)

[場所] グレンイーグルズ
[年月日] 2005年7月8日
[出典] 外務省
[備考] 外務省仮訳
[全文]

1.我々G8首脳は、1年前、すべての人々のための自由、民主主義と繁栄を強化するため、G8と地域の政府、ビジネス及び市民社会との誠実な協力に基づき、「拡大中東及び北アフリカとの前進と共通の未来に向けたパートナーシップ」を確約した。

2.本日、我々は、現代の民主的な世界において正当な地位を確保するための地域の政府と人々の新たな決意を認識する。我々は、政治的、経済的、社会的及び教育上の改革を加速化するためにとられる措置を歓迎し、支持する。我々は、チュニジア及びアルジェリアにおけるアラブ首脳会議における地域の首脳による近代化に対するコミットメントも歓迎する。我々自身の利益にとっての同地域の重要性にかんがみ、我々が有する既存の政策手段とこの地域との伝統的なつながりを基に、現出しつつある変革への機運を助長することが不可欠である。我々は、改革への我々の支持は、国連安保理決議242及び338に基づく、アラブ・イスラエル間の紛争の公正、包括的かつ永続的な解決に向けた進捗とイラクの平和と安定の回復への我々のコミットメントと共に進むことを強調する。

3.地域の政府と人々は、民主主義と自由が広がることへの希望を表明した。アフガニスタン、イラク、レバノン及びパレスチナ自治区における国政選挙は、民主主義の原則と制度の重要性と、民主主義が国家及び文化的アイデンティティーと完全に両立するものであることを示している。我々は、引き続き、すべての民主的かつ非暴力的団体を含めるための政治的多元性と政治への参画を拡大するための地域の更なる努力を支持し、また、権力を有する地位にあるすべての者が、開放的で、近代的かつ繁栄した社会を構築することによって、地域における新たな機運に応えることを奨励する。

4.多くの国において顕著な進展があった一方、重大な挑戦が残されている。ガバナンスの向上、法の支配の強化、腐敗との闘い、女性のための平等の向上及びメディアの自由化は、この地域の多くの人々から国家の発展にとって極めて重要であるとみなされている。我々は、これらの分野そのものに重要性に応じ、また、この地域の若年層に必要な数百万の就業機会の創出を助けるために必要な民間投資を含め、経済成長及び経済的機会を刺激するため、その更なる進展を奨励する。

5.我々は、それぞれの国は独特かつ多様であり、また、我々の役割は地域主導及び現地主導の改革を支援することであることを認識する。2004年12月にラバトで開催された「未来のためのフォーラム」第1回会合は、この課題を追求するためのG8及び地域の政府間の対話のプロセスを確立した。我々は、このパートナーシップの作業を更に進展させるため、2005年11月にバーレーンで開催される「未来のためのフォーラム」第2回会合に期待する。我々は、「改革支援計画」の下での様々なイニシアティブの地域の実行者のみならず、同フォーラムの開催国であるモロッコ、バーレーン及びヨルダンが果たしている指導的役割を評価し、また、我々のパートナーシップへの参加を望む国際社会の他の人々を歓迎する。

6.我々は、シーアイランドで合意された「改革支援計画」における協力を深化させるためのG8と地域の教育及び財務大臣の作業を奨励する。21世紀の要請に即した識字率及び教育システムの近代化のための行動枠組みを進展させるために今年早い段階でアルジェリア及びヨルダンで開催された画期的な会合は、両者が共に新しい可能性を探求している証左である。基金ネットワークの設立、中東・北アフリカ民間企業パートナーシップ基金の創設、投資タスクフォースの開始、地域マイクロファイナンス・ベスト・プラクティス・センターの設立及び地域起業家センターの継続的発展は、すべて、我々のパートナーシップに実質的な意義を与える。

7.しかし、この地域にとって自身の将来への投資と相互支援が不可欠である。我々は、構造改革に対する地域の継続的な投資と多様化した民間セクター主導の経済への更なる移行の重要性につき、国際通貨基金(IMF)及び世界銀行に同意する。移行のための社会的コストに対処する施策を併せてとることにより、地域の人々がグローバリゼーションから十分に利益を享受できるようになることが目標となる。我々は、地域の貿易投資の自由化、金融システムの強化、規制改革、健全なマクロ経済政策及び地域的経済統合等の施策を含め、この地域の成長にとっての障害を除去する努力を支援する用意がある。教育の質の向上及び職業訓練へのアクセスの促進のための地域的政策と共に、これらの施策は、地域のグローバルな競争力を向上させるためのビジネスの可能性を飛躍的に高めることに資する。

8.市民社会及びビジネスの法の枠内で、民主的環境の強化、根本的な自由の定着、及び説明責任と透明性に関する制度の改善のため、政府と共に取り組んでいく能力は、地域の将来にとって本質的なものである。「市民社会対話」及び「ビジネス対話」は、地域及び国家の発展における市民社会とビジネスの役割を向上させることを目的としている。「民主主義支援対話」は、G8、EU及び域内の関心団体を取り込むことにより、民主主義プログラムを支援することを目指す。我々は、これらの対話が政治・教育及び経済改革を通じて女性の役割をも進展させることを奨励する。11月のバーレーンでの「未来のためのフォーラム」においては、我々は、これらの対話から発出される提言のために協力すると共に、これら及びその他の分野において、2006年及びその後まで更なる成果をあげていくことを奨励する。