データベース「世界と日本」(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] より効果的な執行を通じた知的財産権海賊行為及び模倣行為の削減(第31回グレンイーグルズ主要国首脳会議‐G8サミット)

[場所] グレンイーグルズ
[年月日] 2005年7月8日
[出典] 外務省
[備考] 外務省仮訳
[全文]

1.海賊版及び模倣品の貿易の増加は、組織犯罪とも関係を有する可能性があり、世界中で、雇用、技術革新、経済成長、消費者の健康及び安全を脅かしている。

2.効果的な知的財産に関する条約は、すべての国の持続可能な成長に貢献する。G8諸国は、他の諸国と共に、世界知的所有権機関(WIPO)、世界貿易機関(WTO)、世界税関機関(WCO)、国際刑事警察機構その他の権限ある機関を通じて、知的所有権の貿易関連の側面に関する協定(TRIPS)を含む国際法上のコミットメントと整合的な形で、積極的に作業し、また、我々のエビアンでのコミットメントと整合的な形での開発目標を推進している。

3.我々は、海賊版及び模倣品の国際的な貿易を大幅に削減し、また、それを支援する国際的ネットワークと効果的に闘うために、これらの努力を国内外で深めている。我々は、特に、以下の更なる具体的な措置をとる。

●基本的な傾向、課題、国内外の執行のための行動に関する分析を強化し、強調する。

●知的財産権の効果的な執行を強化するために法律、規則、及び/又は手続を、適切な場合に、模倣品ないし海賊版の疑いのある商品の押収及び保管、それらの商品及びそれらを製造するための設備の破壊、知的財産権の執行に関連した明確で透明で予見可能な司法手続、政策、ガイドラインの採用を、強化し支持する。

●模倣品のインターネット上の流通及び販売の摘発及び防止を強化し、インターネット上の窃盗と闘う。

●共同のリスク分析、最善の慣行の交換、国境における対策、政府及び民間部門の間の既存の協力強化等を含む、模倣行為及び海賊行為の犯罪対策戦略の調整を向上させ、また、執行当局職員間のより緊密な協力を確保する。

●模倣行為及び海賊行為がもたらす、健康へのリスク、経済的損害、組織犯罪集団の増加について、政府職員及び一般市民の間で、意識を高める。

●我々の共有する開発目標の達成を支援するために、最善の慣行の共有、訓練・技術支援を通じて、法制を強化し、国家的な模倣行為・海賊行為対策及び執行能力を構築し、またその強化を支援するために、開発途上国のパートナーと緊密に協力する。

4.我々は、この秋に、これらの措置を実施する作業計画を策定するために専門家を招集し、また、今後将来の議長国の下で、進捗状況をレビューする。