データベース「世界と日本」(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] スーダンに関するG8宣言

[場所] シーアイランド、ジョージア州
[年月日] 2004年6月9日
[出典] 外務省
[備考] 仮訳
[全文]

 我々G8首脳は、5月26日にスーダン政府とスーダン人民解放運動(SPLM)の間で、権力の配分、アビエ、及び両地域(青ナイル州南部とヌバ山地域)に関する各議定書が署名されたことを歓迎する。我々は当事者に対し、可能な限り早急に今後の程{前1文字ママ}及び安全保障措置を含む最終包括合意に達することを促す。我々はこの合意及びその誠実な履行が、世界で最も痛ましい紛争のひとつを終結させ、スーダンが平和と繁栄を享受する新しい時代をもたらすことを希望する。

 我々はまたダルフールにおける人道、人権及び政治的な危機に関して、深い懸念を表明する。我々は4月8日のンジャメナ停戦合意及び5月20日のスーダン政府による人道的なアクセスへの規制の緩和についての声明を歓迎する。しかしながら、大規模な人権侵害が引き続き報告されており、その多くは民族的な側面に起因するものである。我々はあらゆる紛争当事者に対し、即時かつ完全に停戦を尊重することを要求するとともに、必要としているあらゆる人々に対して妨害されることのない人道的なアクセスを与え、避難民が故郷に安全に帰還できる条件を整備することを要請する。我々は、特に、スーダン政府に対し、ダルフールにおける大規模な人権侵害に責任を有する民兵組織である「ジャンジャウィード」及びその他武装勢力の即時武装解除を要求する。我々は紛争当事者に対しダルフール地域の紛争の根源を解消し、政治的解決を追求することを要請する。

 我々は、アフリカ連合が、停戦合意監視のために現在ダルフール地域に派遣している監視ミッションにおいて主導的な役割を担うにあたり、同連合を支持する。

 我々は、スーダンにおける紛争を終結させるための支援及び必要とされている人々に対する人道的支援を行うことを誓約する。我々は、スーダンにおけるあらゆる紛争当事者に対し、全てのスーダン国民が平和と尊厳のうちに生きる権利を尊重することを誓約するよう要請する。

 我々は、国連が深刻な悲劇を避けるために国際的な努力を主導することを期待するとともに、この目的を達成するために協力していく。