データベース「世界と日本」(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 持続可能な開発のための科学技術:G8行動計画(第29回主要国首脳会議)

[場所] エビアン
[年月日] 2003年6月3日
[出典] http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/summit/evian_paris03/kagaku_k.html
[備考] 仮訳
[全文]

 G8首脳は、持続可能な開発のために科学技術の重要性を認識。各国とも協調しつつ、地球観測、エネルギー、農業・生物多様性に焦点を当てて努力を行う。

1.地球観測{前6文字下線あり}

地球全体の観測体制整備に向けて、明年春に東京で開催される閣僚会合{前16文字下線あり}までに、以下に関する今後10年の実施計画を策定する。

・既存の地球観測戦略の調整。

・データや観測地点の不備の手当て。

・情報データの共有の促進等。

2.エネルギー{前7文字下線あり}

エネルギー効率改善と関連技術の普及、化石燃料のクリーンな使用、再生可能エネルギー使用の増大、燃料電池と水素エネルギー技術開発を加速。

・原子力を使用し続けるG8諸国による、より安全で信頼性があり、兵器転用や核拡散を防止し得る先進的原子力技術の開発努力に留意{前16文字下線あり}。

・再生可能エネルギーの比率を増大させるため、太陽電池や風力等の基礎研究を活性化し、研究成果を共有。また、明年春の再生可能エネルギーに関する国際会議(於ボン)に参加。

・産業界と協力して20年以内に燃料電池車が価格競争力をもつよう障害を除去し、国際的な規格、基準を策定{前41文字下線あり}。

・クリーンで効率的な化石燃料技術と炭素隔離システムの利用・入手可能性の拡大、及び、共同研究開発と国際協力の追求。

・次世代自動車とクリーンなディーゼル・バイオディーゼル燃料に関する規格、基準の策定。

・次世代自動車を含むクリーンで効率的な自動車の促進。

3.農業{前4文字下線あり}

農業生産の拡大、天然資源及び環境の保護、生物多様化と保全の促進。

・食料と農業のための遺伝資源の保存及び持続可能な使用の促進。

・途上国における持続可能な手段を用いた農業生産性改善の援助。

・違法な森林伐採との闘争、持続可能な森林管理促進、農業における生物多様性と保全の為の、衛星映像技術などの最新技術の使用。

4.循環型社会{前7文字下線あり}

マテリアル・フロー(資源生産性){前16文字下線あり}に関する理解を深めるため、資源生産性に関する作業を継続する。(我が国はマテルアル・フローに関する専門家会合を開催する)。