データベース「世界と日本」(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 地域情勢に関するG8首脳声明(第27回主要国首脳会議)

[場所] ジェノヴァ
[年月日] 2001年7月21日
[出典] http://www.kantei.go.jp/jp/koizumispeech/2001/genova/g8tiiki.html
[備考] 外務省仮訳
[全文]

 G8の外相は、7月18日及び19日にローマで会合した。我々は、既に公表された彼らの結論を全面的に支持する。

 彼らは、中東、アフリカ、マケドニア旧ユーゴースラヴィア共和国(FYROM)及び朝鮮半島の情勢につき我々の注意を喚起した。中東情勢については、我々は別途の声明を発出した。アフリカについては別途取り扱う。我々は、マケドニア旧ユーゴースラヴィア共和国(FYROM)及び朝鮮半島については以下の結論に合意した。

マケドニア旧ユーゴースラヴィア共和国(FYROM)

1.我々は、マケドニア旧ユーゴースラヴィア共和国(FYROM)における平和と安定を極めて重要な目標と見なす。我々は、FYROMのすべての当事者に対し、現在行われている政治対話の迅速な成功に寄与するために最大限の責任を示すよう強く求める。我々は、FYROM政府並びに同政府による主権、領土的一体性及び国家としての統一性を維持するとのコミットメントを支持する。我々は、政治的目的の追求のためのあらゆる暴力行為を非難する。我々は、当事者間の交戦状態の停止へのコミットメントを歓迎し、これら当事者に対し、それを厳格かつ永続的に尊重するよう求める。我々は、すべての武装集団に対し、自主的に武装解除し、解散するよう要請する。平和裡の政治的解決のみが、FYROMのすべての国民のための民主的かつ真に多民族的な未来を確実なものとすることができる。我々は、FYROMに対し、すべての国民の政治的生活への参加並びに無差別・平等待遇の原則に従ったすべてのコミュニティのアイデンティティ及び権利の最大限の尊重を確保するための憲法及び立法措置を採用し、実施するよう奨励する。当事者間の政治的対話を促進するために国際社会の代表者がFYROMにおいて行っている努力は、必要であり、継続されるべきである。我々は、当事者間の恒久的な平和の確立及び政治的合意の成功裡の締結に引き続きドナー会議が開催されるとの考えを支持する。

朝鮮半島

2.朝鮮半島における緊張の緩和及び永続的な平和の確立のための努力は奨励されるべきである。我々は、韓国の包容政策及び昨年開始された韓国と北朝鮮の間の和解プロセスの継続への支持を改めて強調する。我々は、早期の第2回南北首脳会談の開催及び閣僚級の接触の再開を期待する。

3.我々は、朝鮮半島エネルギー開発機構(KEDO)を含め、「合意された枠組み」の実施に対する支持を再確認する。我々は、北朝鮮が、既に発表されているミサイル発射の凍結を実施すること、並びに、地域における緊張緩和及び北朝鮮の国際社会への更なる参画にとって必要不可欠である、安全保障、不拡散、人道及び人権の諸問題をめぐる国際的な懸念への建設的な対応を期待する。