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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 第10回主要国首脳会議におけるイラン・イラク紛争:議長声明

[場所] ロンドン
[年月日] 1984年6月9日
[出典] サミット関連資料集、524−525頁.
[備考] 外務省仮訳
[全文]

1.我々は,イラン・イラク紛争のあらゆる側面について話し合った。

2.我々は,この紛争が人々の苦しみを増大させ,物理的損害及び敵意をもたらしていることに対し,又,人道に係る国際法が侵害されていることに対し,深い懸念を表明した。

3.我々すべてが希求し切望することは,双方が相手に対する攻撃及び他の諸国の船舶に対する攻撃を中止することである。航海の自由の原則は,尊重されなくてはならない。我々は,この紛争がこれ以上拡大すべきではないと考えており,この地域における安定を助長するために,我々として出来ることをするつもりである。

4.我々は,当事者が,平和的かつ名誉ある解決を探求するよう奨励する。我々は,このような解決を実現しようとするすべての努力,就中,国際連合事務総長による努力を支持する。

5.我々は,経済宣言で打ち出された線に沿って,世界の石油供給の受ける影響についても検討した。我々は,世界の石油市場がこれまで比較的安定的に推移してきたことに留意した。我々は,国際システムが,既にとられつつある慎重でかつ現実的な施策の継続により,予見しうるいかなる問題にも対処する意志と能力を備えていると信ずる。