データベース「世界と日本」(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 第6回主要国首脳会議における政治問題に関する記者発表

[場所] ヴェネチア
[年月日] 1980年6月22日
[出典] 外交青書25号,454ー455頁.
[備考] 外務省仮訳
[全文]

 われわれはここヴェニスにおいて世界的経済戦略を定め,これを実現させるとの一致した決意を示そうとするにあたり,調和がとれかつ持続的な経済成長のための諸条件を創り出すことを助長するために,世界の3大工業地域,すなわち北米,西欧,日本が果すべき責任を自覚しこれを受容するものである。しかしながら,われわれのみでこれをなすことは不可能であり,他の諸国も果すべき役割を有している。

 しかしながら,現在の状況では,これと同時に,法の支配が普遍的に遵守され,国家の独立が尊重され,また平和が保たれるような世界を維持しえてはじめて,われわれの努力が成果をもたらすものであることを強調せざるを得ない。われわれは全ての国に対しかかる世界をめざしてわれわれと共に努力するよう呼びかける。また,非同盟諸国及び地域グループが,これに伴う責任を受け入れる用意があることを歓迎する。

 従ってわれわれはここに,ソ連のアフガニスタン軍事占領は現在容認できないものであり,また将来も容認しない決意であることを再確認する。ソ連の軍事占領は,アフガニスタン国民の勇敢な抵抗に示されている如き同国民の独立への意志及び同地域の諸国の安全保障と相容れないものである。それはまた,国際連合憲章の諸原則及び真のデタントを維持する努力とも相容れないものである。この軍事占領は,同地域及び世界全体の平和の基礎そのものをゆるがしている。

 われわれは,この点に関し,1980年1月14日の国際連合総会決議ES−6/2号及び最近の2回のイスラム諸国会議において示されたように,国際社会の圧倒的多数により既に表明されている見解を全面的に支持する。

 アフガニスタンは,かつて享有していた主権,領土保全,政治的独立及び非同盟の性格を回復することができるようにされるべきである。従ってわれわれは,ソ連軍が全面撤退し,またアフガニスタン国民が再び自らの将来を自由に決定できるようになることを要求する。

 われわれは,アフガニスタンからの一部ソ連軍の撤退に関する本日の発表に留意する。撤退が確認された場合,それが,アフガン危機の解決に有益な貢献をなすためには,永続的なものでソ連軍の完全撤退迄継続されねばならない。かくして初めて平和及び法の支配と相容れ,もって全ての国の利益と相容れうる状況を再確立することが可能となる。

 われわれは,この目的を達成するために,われわれの力の及ぶ全てを為す決意である。またわれわれは,イスラム諸国会議のイニシアチブのごとき,この目的のためのいかなるイニシアチブをも支持する用意がある。そしてわれわれは,同地域の諸国の政治的独立及び安全保障に貢献するためのあらゆる努力を支持するものである。

 この会議に参加した政府でオリンピック大会参加に反対の立場をとってきた政府は,その立場を強く再確認した。