データベース「世界と日本」(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 薩哈嗹占領に關する宣言(サハリン/カラフト占領に関する宣言)

[場所] 
[年月日] 1920年7月3日
[出典] 日本外交年表竝主要文書上巻,外務省,515頁.
[備考] 
[全文]

大正九年七月三日發表

本年三月十二日以來五月末ニ亘リ「ニコラエウスク」港ニ於テ帝國守備隊領事館員及在留臣民約七百名老幼男女ノ別ナク同方面過激派ノ爲メ虐殺セラル其狀誠ニ悲慘ヲ極ム帝國政府ハ國家ノ威信ヲ全ウセムカ爲メ必要ナル措置ヲ執ラサルへカラス然ルニ目下實際上交涉シ得ヘキ政府ナク如何トモスルコト能ハサル情況ニ在ルニ依リ將來正當政府樹立セラレ本事件ノ滿足ナル解決ヲ見ルニ至ル迄薩哈嗹州內ニ於テ必要ト認ムル地點ヲ占領スヘシ

後貝加爾方面ニ關シテハ「チエツク、スロヴアツク」軍カ同方面ヨリ全然撤退セル今日ノ事態ニ顧ミ帝國政府累次ノ聲明ニ基キ今回同地方ヨリ撤兵スル事ニ決定セリ但シ浦潮方面ハ朝鮮ニ對スル脅威排除セラレサルノミナラス却テ惡化セントスル傾向アリ且多數ノ本邦人同地方ニ在留シ又「ハバロウスク」ハ「サガレン」州ニ通スル要衝ノ地點ナルニ顧ミ此等地方ノ安定ヲ得ル迄已ムヲ得ス相當數ノ軍隊ヲ駐ムヘシ