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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 對華借款團組織に關する梶原ラモント往復書翰(対華借款団組織に関する梶原ラモント往復書翰)

[場所] 
[年月日] 1920年5月11日
[出典] 日本外交年表竝主要文書上巻,外務省,511‐512頁.
[備考] 
[全文]

日本銀行團代表者ヨリ米國銀行團代表者宛書柬(譯文)

千九百二十年五月十一日附

拜啓陳者客年五月十一日及十二日巴里ニ於テ借款團組織ニ當リ日、米、英、佛各銀行團代表者ハ各自本國政府ノ承認ヲ條件トシテ決議竝規約ニ署名セルコトハ御承知ノ通ニ有之將又日本銀行團ハ日本政府ノ訓令ニ基キ本團ノ右新借款團規約承認條件ニ關シ同年六月十八日附書翰ヲ貴國銀行團ニ送致シタルコトモ亦御記憶ノコトト存シ候

然ルニ曩ニ借款團規約竝其ノ運用ニ關シ是迄稍曖昧ナリシ諸點今ヤ日本政府竝本團ニ取リ滿足ニ一掃セラレタルニ付茲ニ本團ハ日本政府ノ訓令ニ基キ右客年六月十八日附ノ書翰ヲ撤回シ米、英、佛ノ各銀行團ト協同シ且右諸銀行團ト同一條件ノ下ニ該借款團規約ヲ承認スルモノナルコトヲ宣明スルト同時ニ支那ニ關スル借款團ノ一般計畫竝目的ニ對シ衷心協力スルノ意嚮ナルコトヲ表明致シ得ルハ甚タ光榮トスル處ニ有之候 敬具

千九百二十年五月十一日

梶原仲治

テイ、ダブルユー、ラモント殿

米國銀行團代表者ヨリ日本銀行團代表者宛書柬(譯文)

千九百二十年五月十一日附

拜啓陳者五月十一日付ヲ以テ今般貴國團ニ於テ貴國政府ノ訓令ニヨリ客年六月十八日付書翰ヲ撤回セラレ米英佛ノ各銀行團ト共同シ且右諸銀行團ト同一條件ノ下ニ對支新借款團組織ニ關スル規約ヲ承認セラレタル旨御通知相成致領承候

本團ハ貴國銀行團及貴國政府ニ取リ之迄稍曖昧ナリシ諸點今ヤ明瞭トナリタルコトヲ欣ヒ且貴國銀行團ト共ニ新借款團活動ノ進路開カレタルモノナルコトヲ信シ候滿洲及蒙古ニ於テ企劃セラレ又ハ事實着手セラレタル特定ノ鐵道企業ノ地位ニ關シ先般來御協議中二三問題相生シ候ニ付本團ハ茲ニ左ノ通リ貴國銀行團ト所見一致セルコトヲ致確認候

(一)南滿洲鐵道及其現在ノ支線ハ同鐵道附帶事業タル鑛山ト共ニ借款團ノ範圍ニ屬セス

(二)洮南熱河鐵道及洮南熱河鐵道ノ一地點ヨリ海港ニ至ル鐵道ハ借款團規約ノ條項內ニ包含セラルルモノトス

(三)吉林會寧、鄭家屯洮南、長春洮南、開原海龍吉林、吉林長春、新民府奉天及四平街鄭家屯諸鐵道ハ新借款團ノ共同活動ノ範圍外ニ在リ

本信ハ米國銀行團ノ爲ニ起案セラレタルモノナルモ其ノ英佛兩銀行團及英佛兩國政府ニ於テ眞實賛同スル所ナルヲ確信致候

日本銀行團所屬ノ各位ニ對シ本團ノ敬意ト併セ四國共同企業ノ成功ニ對スル希望トヲ御傳達相成度此段得貴意候 敬具

千九百二十年五月十一日

テイ、ダブルユー、ラモント

梶原仲治殿