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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 條約ニ屬スル公文(樺太千島交換条約に属する公文,樺太千島交換条約附属公文)

[場所] 
[年月日] 1875年5月7日
[出典] 舊條約彙纂,第一卷第二部,外務省條約局,685-687頁.
[備考] 樺太島假規則(參考二)(樺太島仮規則(参考二))
[全文]

(譯文)

日本國皇帝陛下ノ政府ト魯西亞國皇帝陛下ノ政府ハ本日兩國間ニ結ヒタル條約第四款ニ載タル件ヲ完成センタメ下名ノ者協議ノ上左ノ條款ヲ定ム

 第一款

魯西亞帝國政府ハ本條約ノ旨ニ基キ日本政府附ノ建物及動產ヲ引受ヘキヲ以テ其代價ヲ日本政府ニ拂フ事ヲ承諾シ日本政府ヨリ報知セラレシ金額卽チ棟數壹百九拾四軒代價七萬四千零六拾三圓(日本ドルラル)及動產ノ代價壹萬九千八百拾四圓ヲ以テ其物價檢査ノ基本トナス

 第二款

本日取結ヒノ條約第三款ニ揭クル各地受取掛雙方役人ハ各地ニ在ル建物及動產ノ兩政府ニ歸スヘキモノヲ檢査シテ其代價ヲ決定スヘシ

右雙方役人ヨリ各地並ニ靜動二產受取渡濟及其決定セシ代價ノ屆書落手ノ魯西亞政府附ノ物品代價差引キ剩餘金額ハ各地並ニ靜動二產公然受取渡濟ヨリ六ケ月內ニ比特堡府ニ於テ日本公使又ハ日本國皇帝陛下ヨリ別段ニ其命ヲ奉シタル人ニ渡スヘシ

 第三款

本日結約ノ第五款中ニ陳スル交換セル各地ニ留ル各民ノ權理及地位並ニ各地ニ住ム土人ノ義ニ付テハ東京ニ於テ日本政府魯西亞辨理公使ト尙之ニ附錄ス可キ條款ヲ取極ム可シソノ爲メ入用ナル全權ヲ魯公使ニ附スル者ナリ

 第四款

前條ニ載タル議定セシ件ハ同日記名セシ本篠約ノ列ニ加ヘタルモ同シ權力アルモノナリ

右ヲ確定スル爲メ下名ノ者此公文ヲ作リ以テ各其印ヲ調スル者ナリ

 明治八年五月七日

 卽一千八百七十五年(四月二十五日、五月七日)比特堡府ニ於テ

  榎本武揚(印)

  ゴルチャコフ(印)

* 本公文ハ太政官布告ヲ以テ公布セラレズ法令全書ニ本條約布告ノ〔參照〕トシテ揭ゲラルル止マレリ