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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 1955年5月14日にワルシャワで署名された友好、協力、相互援助に関する条約及び1985年4月26日にワルシャワで署名された同条約の効力延長に関する議定書の効力停止に関する議定書(ワルシャワ条約の効力停止に関する議定書)

[場所] プラハ
[年月日] 1991年7月1日
[出典] 日本外交主要文書・年表(4),998−999頁.1991年7月2日付イズヴェスチヤ
[備考] 外務省假訳
[全文]

1955年5月14日にワルシャワで署名された友好、協力、相互援助に関する条約及び1985年4月26日にワルシャワで署名された同条約の効力延長に関する議定書の効力停止に関する議定書

7月1日

1955年5月14日にワルシャワで署名された友好、協力、相互援助に関する条約加盟諸国は、

対決と大陸分割の終焉を意味する欧州で進行中の深淵な変革に留意し、

新しい情勢を考慮して相互関係を二国間ベースで、或いは関心の度合いに応じて多国間ベースで積極的に発展させることを意図し、

欧州における通常兵器に関する条約に署名し、最早敵同士ではない旨及び新たなパートナーシップと協力の関係を築いていく旨声明した22ヶ国の共同宣言の意義を指摘し、

全欧安保構造への漸進的な移行促進を決意し、

1990年11月の全欧州安全保障協力会議のパリ首脳会合で達成された取極に立脚し、

以下の通り合意した。

第1条

1955年5月14日にワルシャワで署名された友好、協力、相互援助に関する条約(以下ワルシャワ条約という)及び1985年4月26日にワルシャワで署名された友好、協力、相互援助に関する条約の効力延長に関する議定書は、本議定書発効の日にその効力を停止する。

第2条

本議定書の当事国は、ワルシャワ条約に由来する一切の財産的請求を相互に行わない旨声明する。

第3条

1. 本議定書は、批准されなければならない。

2. 本議定書本書及び批准書は、チェコ及びスロヴァキヤ連邦共和国政府により保管され、チェコ及びスロヴァキヤ政府は、本議定書の他の当事国に対して個々の批准書の寄託につき通報する。
本議定書は、最後の批准書が寄託された日に発効する。
1991年7月1日にプラハで、ひとしく正文であるロシア語、ブルガリア語、ハンガリー語、ポーランド語、ルーマニア語及びチェコ語により本書1通を作成した。本議定書認証謄本は、チェコ及びスロヴァキヤ連邦共和国政府が他の全ての当事国に伝達する。

ソヴィエト社会主義共和国連邦のために

G.I.ヤナエフ

ソヴィエト社会主義共和国連邦副大統領

ブルガリア共和国のために

ジェリュ ジェレフ

ブルガリア共和国大統領

ハンガリー共和国のために

ヨジェフ アンタル

ハンガリー共和国首相

ポーランド共和国のために

レフ ワレサ

ポーランド共和国大統領

ルーマニアのために

イオン イリエスク

ルーマニア大統領

チェコ及びスロヴァキヤ連邦共和国のために

ヴァツラフ ハヴェル

チェコ及びスロヴァキヤ連邦共和国大統領