データベース「世界と日本」(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 「パリ協定」の受諾に関する内閣総理大臣の談話

[場所] 
[年月日] 2016年11月8日
[出典] 首相官邸
[備考] 
[全文]

平成28年11月8日

 本日、「パリ協定」を受諾することを決定しました。この協定は、歴史上はじめて、国連気候変動枠組条約の締約国である197ヵ国が全て参加する、公平かつ実効的な気候変動対策のための協定です。新しい枠組みには全ての国が参加しなければならない、これが日本の一貫した主張であり、それが実現しました。政府としては、8日に国連事務総長宛に受諾書を寄託する予定です。

 気候変動は、国際社会全体で取り組まなければならない長期的な課題です。世界は、この困難な問題の解決に向け、新たなスタートを切りましたが、今後、全ての国が「パリ協定」に基づき、着実に温室効果ガスの削減等に努めていくことが必要です。これから「パリ協定」の実施のための指針を策定する交渉が本格的に始まりますが、我が国は、全ての国による排出削減というパリ協定の精神が貫徹されるよう、各国による排出削減の透明性がより高まるようなルールの構築に向け、主導的な役割を果たしていく決意です。

 我が国は、地球温暖化対策に、内閣の最重要課題として、引き続き全力を挙げて取り組みます。本年5月には、「地球温暖化対策計画」を策定し、パリ協定の長期目標を見据えた戦略的な取組を明確にするとともに、2030年度に温室効果ガスを26%削減するという我が国の目標達成に向けた道筋を付けました。今後とも、国民運動を広く展開しながら、国内での排出削減に計画的に取り組むとともに、経済成長を犠牲にせず、これと両立する形で排出削減を実現するために、環境・エネルギー分野での革新的な技術開発を積極的に推進します。また、日本の優れた環境技術や経験を活かしつつ、COP21で表明した2020年における約1.3兆円の気候変動対策事業が途上国で着実に実施されるよう取り組むとともに、世界全体での排出削減に貢献していきます。

 自然と調和する暮らしの伝統、石油危機を克服した世界に冠たる技術。これからも官民で創意工夫を重ね、我が国ならではの強みを更に磨き上げていきたいと思います。こうした取組を通じて、気候変動への国際社会の取組に主導的役割を果たし、かけがえのない地球を、子や孫の世代に無事に引き渡すという我々の責務を果たしていきます。