データベース「世界と日本」(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 国連気候変動枠組条約第二十一回締約国会議の合意に関する内閣総理大臣の談話

[場所] 
[年月日] 2015年12月13日
[出典] 首相官邸
[備考] 
[全文]

 国連気候変動枠組条約第二十一回締約国会議(COP21)において、「京都議定書」に代わる、温室効果ガス排出削減等のための新たな国際枠組みである「パリ協定」が採択されたことを高く評価します。テロに屈することなく、COP21を開催し、成功に導いた議長国フランスの尽力に深甚なる謝意を表します。

 かけがえのない地球を、子供や孫の世代に無事に引き渡さなければならない、そのためには、新しい枠組みには全ての国が参加しなければならない、これが日本の一貫した主張でした。このたび、歴史上はじめて百九十余の国々すべてが参加する公平な合意が得られました。

 世界は、地球温暖化という困難な問題の解決に向け、新たなスタートを切ります。日本は、26%削減という目標に向け、温室効果ガスの計画的な削減に取り組まなければなりません。経済成長を犠牲にせずにこれらを達成していきます。その鍵となる環境・エネルギー分野での革新的な技術開発を推進します。日本の技術や経験を活かし、途上国においても気候変動対策を実施していきます。気候変動の影響は、国内でも顕在化しつつあります。将来に備え、今のうちから影響を最小化するよう対策を講じていきます。

 これらについて、内閣の最重要課題として取り組みます。

 気候変動問題は長期的な課題です。我が国には、自然と調和した暮らしの伝統と、石油危機を克服してきた世界に冠たる技術があります。気候変動問題への取組において、国際社会で主導的な役割を果たし続けられるよう、これからも官民で創意工夫を重ね、その強みをさらに磨き上げていきたいと思います。