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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 第十一管区海上保安本部 内閣総理大臣訓示

[場所] 
[年月日] 2012年6月23日 
[出典] 首相官邸
[備考] 
[全文]

【総理訓示】

 本日は、沖縄の海を守る第十一管区海上保安本部の職員諸君を激励したく、ここに足を運びました。こうして、フラッグ・シップ「りゅうきゅう」の甲板に立ち、諸君を前にお話しできることを大変光栄に思います。

 豊かな恵みをもたらし、世界と日本を繋ぐ扉である海は、海洋立国・日本の存立の基盤です。

 この海の安全と権益を守るため、昼夜を分かたず全力で取り組んでいる海上保安庁の諸君は、日本の国の根幹を支えています。諸君の日々の活躍は、我が国の誇りです。

 昨年3月11日に発生した東日本大震災に際しても、海の守護神たる諸君の本領がいかんなく発揮されました。被災者の救援、航路標識の復旧、そして、今もなお被災地の海で続く行方不明者の捜索。自らの危険も顧みず、汗にまみれ、泥にまみれ、力の限り被災者に尽くしてくれた諸君の勇気と真心に、多くの人々が心を打たれました。

 内閣総理大臣として、そして、一人の日本国民として、深甚なる感謝を申し上げます。本当に、ありがとう。

 ここに集う第十一管区海上保安本部の諸君は、沖縄の本土復帰以来40年にわたり、周辺諸国の利益が交錯する国境の最前線で、広大な海域を担当されている精鋭たちです。

 本日、実際に業務に使用するヘリコプターや搭載艇を拝見し、尖閣諸島周辺海域を始めとする領海や排他的経済水域等における警戒警備や救助活動がいかに苛酷な業務であるのか、認識を新たにしました。諸君が正に命をかけて業務に当たっていることを実感した次第です。

 国民の海上保安庁に対する期待が高まる中、諸君が、任務に対する誇りと使命感を胸に刻み、この沖縄の美しい海「ちゅらうみ(美ら海)」の「守り神」として大いに活躍されることを強く祈念して、私からの訓示とします。

 益々の活躍を期待しています。頑張ってください。