データベース「世界と日本」(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 国家公務員の給与に関する内閣総理大臣の談話

[場所] 
[年月日] 2011年6月3日
[出典] 首相官邸
[備考] 
[全文]

 本日、国家公務員の給与減額支給措置について閣議決定をしました。

 国家公務員の人件費については、昨年11月の給与取扱方針の閣議決定を踏まえ、給与の引下げを内容とする法案の検討を進めてきました。我が国の財政事情は、総債務残高が主要先進国中最悪の水準であるなど極めて厳しい状況であり、さらに3月11日に発生した未曾有の国難とも言うべき東日本大震災に対処するため、一層の歳出削減が不可欠のものとなっています。

 今回の震災への対応を含め、国家公務員の諸君が日夜公務に精励していることは高く評価しています。しかしながら、大変心苦しい思いはありますが、現在の厳しい状況を考えれば、徹底的な歳出見直しの一環として、国家公務員の給与費についても削減せざるを得ないと考えています。

 このため、現在の人事院勧告制度の下では極めて異例の措置でありますが、職員団体と真摯に話合いを行った上で今回の給与減額支給措置を決定しました。また、本日、この減額措置のための所要の法案とともに自律的労使関係制度を措置するための法案を閣議決定したところであり、政府として両法案の成立を目指します。

 今回の措置は、国家公務員の給与費が無駄遣いであるからとか国家公務員の働きぶりへの評価が低いからということでは決してありません。現在の厳しい状況への対処の一つとしてやむを得ず行うものであります。国家公務員の諸君においては、我が国の置かれた厳しい状況に鑑み、今回の措置がやむを得ない事情によるものであることを理解いただき、引き続き震災からの復興を始めとした職務に全力で取り組むことでより一層国民の信頼を勝ち得るようお願いします。