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政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 阪神・淡路大震災十五周年追悼式典 内閣総理大臣 追悼の辞

[場所] 首相官邸
[年月日] 2010年1月17日
[出典] 首相官邸
[備考] 
[全文]

 本日ここに、「阪神・淡路大震災十五周年追悼式典」が執り行われるに当たり、政府を代表いたしまして、謹んで追悼の言葉を捧げます。

 六千四百名を超える尊い命を奪い、この地に未曾有の災害をもたらした阪神・淡路大震災の発生から十五年が経過いたしました。この震災により亡くなられた方々の無念さと、最愛の肉親を失われた御遺族の深い悲しみに思いを致しますと、誠に痛恨の極みであり、哀惜の念に堪えません。改めて、心から哀悼の意を表するとともに、すべての被災者の方々に心からお見舞い申し上げるものであります。

 阪神・淡路地域では、この十五年の間に、地元住民の方々や自治体、政府などが一体となって、目ざましい復興が図られました。とりわけ、市民、ボランティア、NPOなどのみなさまによる連携や協力は、人と人とが互いに支え合う「新しい公共」の姿を示すものでもありました。多くの方々の御尽力に対し、心より敬意を表します。

 一方で、被災された高齢者の方々へのいたわりや、まちのにぎわいをつくり出していくための努力を続けていく必要があります。震災の経験と教訓をしっかりと継承し発信していくことも求められております。

 大規模な地震をはじめとする自然災害に万全の備えをし、人のいのちを守ることは政治の大きな役割です。私は、今後とも、総合的な防災対策をしっかりと進め、国民のみなさまが安心して暮らせるよう、全力を挙げてまいりますことを、固くお誓い申し上げます。

 そして、阪神・淡路地域が、安全で住みよい、魅力ある地域へとさらに発展されますことを心から願っております。

 最後に、改めて犠牲となられた方々の御冥福をお祈りいたしますとともに、御遺族の皆様方に心よりお悔やみを申し上げて、追悼の言葉といたします。

平成二十二年一月十七日

内閣総理大臣

鳩山由紀夫