データベース「世界と日本」(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 小泉内閣総理大臣の談話[拉致被害者の方々の帰国]

[場所] 
[年月日] 2002年10月15日
[出典] 首相官邸
[備考] 
[全文]

 本日、地村保志さん、浜本富貴恵さん、蓮池薫さん、奥土祐木子さん、曽我ひとみさんの5名の拉致被害者の方を故国日本にお迎えすることができました。日本政府を代表して、心から喜びの気持ちを表したいと思います。

 肉親との離別ほど辛いことはありません。拉致された方々とご家族が20年余という長い歳月味わってこられた悲しみ、苦しみを思うとき、私は胸が痛みます。

 帰国された皆様には、各々の故郷で家族水入らずでゆっくりとおくつろぎ頂き、今回のご滞在により、これまでのつらかった心の痛みが少しでも和らぐことを心より願います。

 今回の一時帰国の実現により、拉致問題の解決に向けて第一歩を踏み出すことができました。しかしながら、ご家族ご一緒での帰国、生存が確認されていない方々についての真相究明等、解決すべき課題は依然多く残されています。

 今月29日に日朝国交正常化交渉を再開します。政府は、この中で、拉致問題を日朝間の諸懸案の最優先事項として取り上げていきます。交渉の場を通じて、拉致問題の全面的な解決を目指して、北朝鮮に対して粘り強く働きかけてまいります。

 国民の皆様の御理解をお願いするものであります。