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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 第67回国連総会の際のG4(ブラジル,ドイツ,インド,日本)閣僚級会合共同プレス・ステートメント

[場所] 
[年月日] 2012年9月25日
[出典] 外務省
[備考] 仮訳
[全文]

1.2012年9月25日,第67回国連総会開会の際に,ブラジル外務大臣,ドイツ連邦外務大臣,インド外務次官及び日本国外務大臣は,安全保障理事会の改革に関する意見交換を行うため,ニューヨークで会合を開催した。

2.各国大臣は,過去の共同ステートメントを想起し,今日の地政学的現実をよりよく反映するため,国際の平和及び安全の維持並びに国連の他の目的のために各国が行っている貢献,並びに,常任・非常任双方のカテゴリーにおける途上国の代表性の向上の必要性を考慮に入れ,改革された安全保障理事会に関する共通のビジョンを改めて強調した。G4各国は,安全保障理事会の新たな常任理事国を目指すとのコミットメント,及び各国が新常任理事国候補国として互いに支持し合うことを改めて表明した。また,G4各国は,拡大された理事会においてアフリカが常任理事国として代表されることが重要であるとの考えを再確認した。

3.各国大臣は,政府間交渉第8ラウンドにおける議論を含むこれまで達成された安保理改革の進展について議論を行った。この文脈において,各国大臣は,大多数の加盟国が安全保障理事会のメンバーの常任・非常任双方のカテゴリーの拡大について支持を表明していることにつき,評価を共有した。また,各国大臣は,ザヒール・タニン大使(政府間交渉議長)が2012年7月25日付の国連総会議長宛の書簡の中で示した同様の評価に留意し,その勧告を歓迎した。各国大臣は,双方のカテゴリーの拡大に対する強い支持が加盟国間の交渉過程に反映されるべきとの考えを表明し,議長の勧告に沿って,さらなる交渉の基礎となる簡潔な作業文書の作成を求めていくことで一致。

4.各国大臣は,達成された成果及び議長の勧告を基礎とし,第67回総会の非公式全体会合において政府間交渉のプロセスを直ちに継続するとの総会決定を歓迎した。各国大臣は,第67回国連総会会期において具体的な成果を達成する必要性を強調し,この文脈で,引き続き,真のテキストに基づく交渉の中で,他の加盟国と柔軟性の精神をもって緊密に協力するコミットメントを表明した。また,各国大臣は,安保理改革に関するハイレベル会合の開催を視野に入れることを含め,2012年7月27日に国連総会議長が加盟国に配布した書簡において政府間議長が勧告したとおり,改革のプロセスにより大きな政治的モメンタムを注入する決意を表明した。

5.各国大臣は,ナーセル・アブドゥルアジーズ・アル・ナスル第66回国連総会議長及びザヒール・タニン大使(政府間交渉議長)の取組に謝意を表明した。各国大臣は,ブーク・イェレミッチ第67回国連総会議長及び政府間交渉議長と喫緊に必要とされている改革を実現するため,緊密に協力することにつき期待を表明した。

アントニオ・デ・アギアール・パトリオッタ

ブラジル外務大臣

ギド・ヴェスターヴェレ

ドイツ連邦外務大臣

玄葉光一郎

日本国外務大臣

ランジャン・マタイ

インド外務次官