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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 森林保全と気候変動に関する閣僚級会合前原外務大臣午後セッション冒頭ステートメント

[場所] 名古屋
[年月日] 2010年10月26日
[出典] 外務省
[備考] 
[全文]

 午後のセッションでは、課題を克服し、取組を更に強化するため、今後の活動の方向性について議論したい。2011〜2012年の作業計画を事務的に準備しているが、可能であれば作業計画の大枠について閣僚レベルで支持したい。

 今後の方向性を議論する上で、重要な論点を3つ挙げたい。

 第1に、「パートナーシップの優位性を最大限活用すべき」という点。国際社会の協力を促進し、REDD+の活動の拡大に繋げるため、2011年及び2012年に如何なる活動に集中すべきかを議論したい。パートナーシップの自発的性格や機動性といった強みを最大限に活用するため、具体的な提案を行ってほしい。また、これまでの活動との継続性も重視すべき。

 第2に、「パートナーシップは実践的であるべき」という点。途上国におけるREDD+の取組を、実質的に拡大するための資金や技術の供与のあり方を検討すべき。途上国・先進国とも、現場での取組の進展に直結するアイデアを示してほしい。

 第3に、「パートナーシップは交渉に向けたモメンタムを形成すべき」という点。本プロセスを通じてREDD+の取組が進むことは、REDD+メカニズムの構築に向けた国連交渉に良い影響を与えるし、気候変動についての交渉全体を後押しすることにもなる。COP16まで1ヶ月と迫っており、カンクンでバランスのとれた成果を得るため、参加者から交渉全体への前向きな発言を期待する。