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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] メキシコ政府主催気候変動に関する閣僚級会合 前原外務大臣発言

[場所] ニューヨーク
[年月日] 2010年9月25日
[出典] 外務省
[備考] 
[全文]

 議長,ご列席の皆様,

 初めに,今回のこの閣僚級会合を主催したメキシコのイニシアティブを評価いたします。

 コペンハーゲン合意の更なる前進が必要な中,残念ながら,現状は,大きく後退していると言わざるを得ません。

 我々の最終目標は,すべての主要国が参加する公平かつ実効的な国際的枠組みを構築する,新しい一つの包括的な法的文書の早急な採択です。そのためには,COP16では,コペンハーゲン合意の内容を更に進めた形でのバランスのとれた一連のCOP決定を採択することが必要です。京都議定書の第二約束期間の是非といった議論を脱しなければなりません。

 我々閣僚が,地球の未来のため,事態の打開を図る必要があります。議長国であるメキシコには,採択すべき一連のCOP決定案の作成と,COP16に至るまでの今後の交渉タイムフレームの設定において,強力なイニシアティブを発揮していただくことを期待します。

 交渉を前進させるためには,コペンハーゲン合意に明記された短期資金(2012年までの期間に300億ドル)を迅速に実施していくことが重要です。我が国は,「鳩山イニシアティブ」として表明した150億ドルのうち,すでに約53億ドルの支援を実施しています。

 また,私は,来月26日に,パプアニューギニアの担当閣僚とともに,名古屋において,REDD+パートナーシップの更なる進展を目的として,閣僚級会合を主催いたします。この会合がCOP16での具体的成果につながることを期待します。

 こうした取組を通じて,我が国としては,引き続き国際交渉を主導していく決意であると申し上げ,私の発言を終わりたいと思います。

 ありがとうございました。