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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 第12回ARF閣僚会合議長声明

[場所] ビエンチャン
[年月日] 2005年7月29日
[出典] 外務省
[備考] 外務省仮訳
[全文]

1.2005年7月29日、ラオス人民民主共和国のビエンチャンにおいて、アセアン地域フォーラム(ARF)第12回会合が開催された。本会合では、ラオス人民民主共和国副首相兼外務大臣ソムサワート・レンサワット閣下が議長を務めた。

2.本会合には、ARFのすべての参加メンバーから外務大臣が出席した。また、ASEAN事務局長も出席した。代表団リストは、別添Iのとおりである。

3.2005年7月28日には、第12回ARF会合に出席する防衛・軍事当局者の会合も開催された。

4.閣僚は、東ティモールがARFの第25番目の参加国としてARFに参加することが認められたことを歓迎し、東ティモールより、ARFの目標の達成に貢献し、ARFによって既に行われた全ての決定及び声明に従い、かつ、これに同意するとのコミットメントが表明されたことに留意した。

ARFプロセスの概観

5.閣僚は、地域の主たる多国間の政治・安全保障に関するフォーラムとしてのARFの重要性を再確認するとともに、その更なる強化につき同意した。閣僚は、ARFの主要な原動力としての役割を果たすASEANへの支持を改めて表明し、ARFの全ての出席者に対し、ARFプロセスを前進させるため引き続きの協力と貢献を促した。

6.閣僚は、政治・安全保障に関する対話及び協力並びにアジア太平洋地域における信頼醸成の増進において、大きな進展が見られたこと及びこれにARFが果たしてきた役割に満足しつつ留意した。閣僚は、コンセンサスによる意思決定及び内政不干渉の基本原則を引き続き誠実に遵守していくことに同意した。この関連で、閣僚は、ARFがすべての参加国にとって快適なペースで前進すべきであることを再確認した。

7.閣僚は、共通の関心事につき包括的な議論を行い、ARF地域がその議論を地域問題、特にアジア太平洋地域及び地域に影響のある国際問題に集中することが必要であることを強調した。閣僚は、アジア太平洋地域が直面している挑戦はより複雑かつ相互に関連しており、一層の地域協力が必要となっていることを認識した。

地域的及び国際的な安全保障問題に関する議論の主要点

8.閣僚は、2004年12月26日の津波災害及び関係国、国際社会によりこれを受けてとられた行動について意見交換を行った。閣僚は、地震並びにインド洋及び東南アジアでの津波により影響を受けたすべての方々に対し、弔意、結束及び支援を表明した。閣僚は、2005年1月6日にジャカルタで行われたASEAN緊急首脳会議及び「2004年12月26日の地震及び津波被害後の緊急支援、復旧、復興及び予防を強化するための行動に関する宣言」を歓迎した。閣僚は、自然災害に対するに当たり、緊急支援、復旧及び復興並びに予防及び緩和の努力をARFパートナーが協力して行うことの重要性を強調した。

9.閣僚は、2005年1月18日から22日まで神戸で行われた「国連防災世界会議」において発出された、国連の調整の下でインド洋特有の状況と各国の個別の必要性に適合したインド洋のための効果的で耐久性のある津波早期警戒システムの構築を呼びかける旨の共通の声明を歓迎した。

10.閣僚は、防災分野における地域協力・調整の重要性並びに神戸及びプーケットでなされた様々な提案を調整し検討する必要性を強調した。かかる観点から、閣僚は、2005年1月28日から29日までタイのプーケットにおいて行われた「津波早期警戒システムに関する地域協力閣僚会合」の結果、並びに早期警戒及び防災分野でのARF及び関係国による努力及び構想を歓迎した。閣僚は、2005年9月27日から29日まで北京で開かれる「アジア防災会議」を歓迎し、すべてのアジア諸国及びアジア域外の関心国に対して閣僚レベルでの会議への参加を勧奨した。

11.閣僚は、中・長期にわたる復旧、復興努力を含む、国連の下での災害救援に関する待機体制の考え方を歓迎した。閣僚は、災害への備えや軽減を含む防災に関する地域メカニズムの速やかな設立を期待し、「災害対策及び緊急対応に関するASEAN合意」を支持した。閣僚は、災害援助に対する支援国の貢献を評価しつつ認識し、影響を受けた地域社会に対し支援を迅速に届ける喫緊の必要性を表明した。閣僚は、被災国による、復興努力における支援を効果的に振り分け、活用することを確保するための、国家規模の調整者としての努力に留意した。

12.最近の悲劇的な経験への対応として、閣僚は、2005年/2006年のインターセッショナル年度に、インドネシアと中国の共同議長により、「災害援助及び関連する問題に関するARFインターセッショナル会合」を再び開催することにつき同意した。

13.閣僚は、「ASEAN安全保障共同体に向けた行動計画」、第10回ASEAN首脳会合で採択された「ビエンチャン行動計画」並びに地域の平和、安定、民主主義及び繁栄の実現のためにASEANの指導者の間で共有されたビジョンと共通の価値につき歓迎し、支持を表明した。

14.閣僚は、東南アジア友好協力条約(TAC)の目的と原則の重要性を認識した。これは、地域における国家間関係を統括し、東南アジア諸国間及びASEANと他のARF参加国との間における協力、親善そして友好を促進するための極めて重要な行動規範となる。閣僚は、2004年11月のビエンチャンでの第10回ASEAN首脳会合において韓国とロシアが、また2005年7月28日のビエンチャンでのASEAN拡大外相会議でモンゴルとニュージーランドがTACに加入したことを歓迎した。また、閣僚は、豪州が同じ機会にTACに加入する旨の意図表明に署名したことを歓迎した。

15.閣僚は、朝鮮半島情勢における最近の進展につき意見交換を行った。閣僚は、六者会合の再開を歓迎し、同会合が、朝鮮半島の非核化に向けてすべての関係当事者に受け入れ可能な平和的解決を探求する中で実質的な進展を得ることを希望する旨表明した。閣僚は、主権と平等の相互尊重という原則を基礎として、相互信頼と共通のアプローチを推進するための対話により、朝鮮半島の非核化に向けた平和的解決を探求することの重要性を強調した。

16.閣僚は、最近の南北対話の再開を歓迎し、南北対話が2000年6月15日の南北共同宣言に従って継続することを希望する旨表明し、また持続している南北関係の機運が朝鮮半島の平和と安定及び朝鮮半島の非核化の平和的実現に資するものとなることを希望する旨表明した。

17.閣僚は、国民会議の進展を含むミャンマーの最近の進展に関する同国の説明に留意するとともに、民主化プロセスの進捗度合に懸念を表明した。閣僚は、制約を取り除くこと及び全ての当事者による効果的な対話を呼びかけた。また、閣僚は、国連事務総長特別代表によるミャンマー訪問の早期再開及び他の関連の国連機関との協力の継続を呼びかけた。

18.閣僚は、南シナ海における当事者間の「行動宣言(DoC)」の履行におけるASEAN及び中国による進展を歓迎した。閣僚は、DoCの精神及び諸原則に従い、当事者間において信頼を醸成することが重要であること、及び協力的な活動のための方法と手段を探求することが必要であること、それにより南シナ海における紛争を平和的に解決するための好ましい状況を創り出すことになることを強調した。閣僚は、2004年12月にマレーシアのクアラルンプールにおいて、「DoCの履行に関するASEAN・中国高級事務レベル会合」が開催されたこと、及び2005年8月にフィリピンのマニラで開催予定である、同宣言の履行を監督する「ASEAN・中国共同作業部会」が設立されたことを歓迎した。

19.閣僚は、2005年1月9日(日)のパレスチナにおける大統領選挙及びその後の2005年2月のシャルム・エル・シェイクにおけるイスラエルとパレスチナの間の直接対話の再開を歓迎した。閣僚は、「ロードマップ」及び関連する安保理決議に基づき、安全かつ認知された国境線の中でイスラエルとパレスチナの二つの国家が隣人として平和的に共存することの実現を伴う、最終的、公正かつ包括的な解決を期待した。

20.閣僚は、2004年6月以降、イラクが主権を完全な形で回復していることを歓迎した。閣僚は、この主権国家の地位が実質的に具体化することを確実にする必要性を強調し、イラクの独立、主権、統一及び領土の一体性に対する決意を再確認した。閣僚は、安保理決議1546に従ってイラクにおいて1月30日に選挙が成功裏に実施されたことと移行政府が樹立したことを歓迎した。閣僚は、政治移行のプロセス、復興及び経済的な発展、並びに法の支配と公共の秩序の確立における国連の中心的な役割を強調した。閣僚は、2005年6月22日にブリュッセルで開催されたイラク国際会議を歓迎した。閣僚は、無辜の犠牲者に向けられた全てのテロ行為を強く非難し、このような全ての行動を停止するよう呼びかけた。閣僚は、国連安保理決議1546の第4及び第12パラグラフ並びに新たに選出されたイラク政府の要請に従い、イラク多国籍軍(MNF‐I)の権限の継続を支持する安保理議長によるプレス声明を歓迎した。

21.閣僚は、無辜の人命、財産の悲劇的喪失を引き起こした最近のロンドンやシャルム・エル・シェイクにおけるテロリストの攻撃を強く非難し、攻撃の犠牲者、その家族及び友人に深い同情と哀悼の意を表明した。閣僚は、テロリズムはその起源や動機、もしくは目的いかんに拘わらず、全ての国民や国家に対する脅威であり、また、地域やさらには域外に至るまでの地において、平和、安定、安全及び経済的発展を確保するための共通の利益に対する脅威でもあることを確認した。閣僚は、国連憲章と国際法に従い、テロリストの行為により惹起された国際の平和と安全に対する脅威に対し、あらゆる方法を通じて闘う必要性を再確認した。数名の閣僚は、テロリズムの根本の原因に対処すること、及び特定の宗教、民族もしくは国籍とテロリズムを同一視することを避けることの重要性を強調した。閣僚は、各国は、テロリズム及び関連の犯罪と闘うためにとられるいかなる措置も国際法の下でのすべての義務に合致しなければならず、国際法、とりわけ人権、難民、及び人道にかかる国際法に従ってかかる措置を採るべきであることに合意した。

22.閣僚は、ジャカルタ法執行協力センター(JCLEC)、東南アジア地域テロ対策センター(SEARCCT)、国際法執行アカデミー(ILEA)の活動に対する継続的支援を表明した。

23.閣僚は、ARFが海上の安全及び安全保障の促進において、努力を継続していることを歓迎し、将来の協力に関する4つの鍵となる分野、すなわち、多国間協力、海上の安全と安全保障に関する具体的行動による解決策、船積及び港湾の安全保障、並びに海上の安全及び安全保障に対する科学技術の適用につき留意した。

24.閣僚は、2004年11月30日、ビエンチャンで行われた第8回日・ASEAN首脳会議において、「国際テロリズムとの闘いにおける協力に関する日・ASEAN共同宣言」が採択されたことを歓迎した。また、閣僚は、2005年7月27日にビエンチャンにおいて「国際テロと闘うための協力に関するASEAN・韓国共同宣言」が、2005年7月29日に「同ASEAN・ニュージーランド共同宣言」及び「同ASEAN・パキスタン共同宣言」が署名されたことを歓迎した。

25.閣僚は、フィリピン、インドネシア及びパキスタンによって始められた「国連平和のための宗教間協力会議」、ジョクジャカルタで行われた「宗教間協力に関する対話」及び2005年7月21日から22日までインドネシアのバリで開かれた「ASEM宗教間対話」のような、地域内の人々の間の相互理解と信頼を促進することを目的とした宗教間対話の増大を歓迎した。

26.閣僚は、大量破壊兵器とその運搬手段の拡散は依然として我々の時代の深刻な安全保障上の挑戦であり、テロリストの手に落ちる可能性のある最も危険なものであると述べた。この関連で、閣僚は、すべての国に対し「核によるテロリズム行為の防止に関する国際条約」に署名し締結すると共にその早期発効に備えるよう促した。閣僚は、テロリズムとの闘いにおいて国際法上の基礎を引き続き強化する必要性を強調し、「包括テロ防止条約」の遅滞なき採択に前向きな発言を行った。閣僚は、国連安全保障理事会による決議1540の採択が非国家主体への大量破壊兵器の拡散防止における国際社会の努力を意味していることに留意した。かかる観点から、閣僚は、1540委員会の努力への支援を表明し、すべての国に対し効果的かつ完全な決議の実施を確保するよう求めた。

27.NPTの当事国の閣僚は、同条約が地球規模の安定と安全のための礎として有効であることを再確認しつつ、2005年の運用検討会議における議論を念頭において、NPTを更に強化するため一層努力する必要性を表明し、また、同条約のすべての規定の遵守とその執行を強化するために更なる努力を行うことについて合意した。閣僚は、核の拡散を防止し、核軍縮及び原子力エネルギーの平和利用を促進するためのNPTの重要な役割に対する支持の継続を改めて強調した。

28.閣僚は、現行の核実験に関するモラトリアムの維持を呼びかけた。閣僚は、地域の関係国間で自発的に達成した取り決めに基づき設けられ、国際的に認識された非核地帯(NWFZs)の概念に対する支持を再確認し、このような地帯が地球規模及び地域の平和と安全保障の強化に貢献することを強調した。さらに閣僚は、東南アジア非核地帯条約の議定書について、核兵器国と条約当事者間で引き続き協議することが重要であることを改めて確認した。

29.閣僚は、地域のすべての国々が、小型武器や軽兵器の不法取引を予防し、これに対処し、またこれを根絶するために効果的な手段をとることの重要性に留意した。

30.閣僚は、人の密輸及び人身取引により生じた諸問題に対し懸念を示した。閣僚は、人の密輸や人身取引に対処するための国家・地域の能力を向上させるための「人の密輸・人身取引及び関連する国境を越える犯罪に関するバリ・プロセス」の下で現在行われている実践的な協力を歓迎した。

31.閣僚は、高病原性鳥インフルエンザに関する懸念を共有し、これが人間及び動物の健康並びに地域の広範囲な安全にとって増大しつつある脅威であることを認識した。閣僚は、鳥インフルエンザが次の世界的な流行病とならないことを確保するために、これに影響を受けた国における鳥インフルエンザに関する十分な監視及び継続的、即時かつ透明性をもった報告の実施が重要であることを表明した。また、閣僚は、汎発性インフルエンザ予防計画の整備の重要性を強調した。

32.閣僚は、国連の代表性、透明性及び実効性を強化し向上させるため、国連の包括的な改革の必要性を強調した。

33.閣僚は、すべての人々、とりわけ発展途上国の人々の必要性や希望に応えるための国連の効果的なリーダーシップを重視した。閣僚は、2005年4月のジャカルタでの「アジア・アフリカ閣僚会合」が、次はアジア地域が国連事務総長の地位を占める順番であるとの一般的な感触をもったことを認識した。国連事務総長職は、2006年末の現職の任期満了に伴い空席となる。この点に関し、閣僚は、この重要な地位のため、タイからASEAN候補であるスラキアット・サティラタイ(Surakiart Sathirathai)博士をASEANが力強く支持していることについて通報を受けた。

現インターセッショナル年度(2004年7月‐2005年7月)における活動

34.閣僚は、現インターセッショナル年度(2004年7月‐2005年7月)の間に開催されたトラックI及びトラックII活動の成功に満足の意を表明した。閣僚は、カンボジア及びEUの共同議長により、カンボジアのプノンペンで2003年10月26日から28日まで、ドイツのポツダムで2005年2月21日から23日まで開催された「信頼醸成措置に関するARFインターセッショナル支援グループ(ISG on CBMs)」での作業を賞賛した。閣僚は、共同議長による総括報告書につき留意し、その勧告を支持した。共同議長による報告書は別添IIのとおり。

35.閣僚は、ARFプロセスにおける防衛当局者による貢献を歓迎した。この点に関し、閣僚は、2004年11月4日から6日まで中国の北京においてインドネシアが議長を務め、中国の主催により行われた第1回ARF安全保障政策会議(ASPC)及び2005年5月18日から19日までビエンチャンにおいてラオスが議長を務め主催して行われた第2回ASPCの成果につき満足した。閣僚は、ARFの防衛政策当局者間のハイレベルの交流が信頼醸成と相互理解の更なる促進に貢献し、これによりアジア太平洋地域及び世界の平和と安定の維持に貢献している点につき満足しつつ留意した。

36.閣僚は、2005年4月6日から8日までバンコクで開かれた「テロ及び国境を越える犯罪に関する第3回インターセッショナル会合(ISM on CTTC)」におけるタイ及びカナダによる共同議長としての報告につき留意し、その勧告を支持した。共同議長による報告書は別添IIIのとおり。

37.閣僚は、ISM on CTTCにより勧告されたとおり「テロリズム及び他の国境を越える犯罪に対する闘いにおける協力の強化に当たっての情報の共有及びインテリジェンスの交換並びに身元証明書の安全性確保に関するARF声明」を採択した。別添IVのとおり、同声明は、情報共有、インテリジェンスの交換及び身元証明書の安全性確保を通じてテロ及び国境を越える犯罪に対する闘いに対する協力を向上させるというARF参加メンバーの決意を表明した。

38.閣僚は、2004/2005年のインターセッショナル年度に完了した以下の諸活動に留意した。

‐第8回国防大学等学長会議(2004年9月1日‐3日、シンガポール)

‐代替開発に関するARFワークショップ(2004年9月7日‐8日、中国・昆明)

‐海上安全保障に関するARFワークショップ(2004年9月22日‐24日、マレーシア・クアラルンプール)

‐サイバー・テロリズムに関するARFセミナー(2004年10月13日‐15日、韓国・済州島)

‐海上安全保障における地域協力に関するARF信頼醸成措置会合(2005年3月2日‐4日、シンガポール)

‐非伝統的安全保障分野における協力拡大に関するARFセミナー(2005年3月7日‐8日、中国・海南島)

‐軍民協力を含む地域の安定と安全を確保する平和アレンジメントに関するARF信頼醸成措置ワークショップ(2005年3月22日‐23日、日本・東京)

‐ARF諸国の安全保障認識の変遷に関するARFワークショップ(2005年6月21日‐22日、モンゴル・ウランバートル)

次期インターセッショナル年度の作業計画

39.閣僚は、「信頼醸成措置に関するインターセッショナル支援グループ(ISG on CBMs)」が引き続き作業を行うことに同意し、フィリピン及び米国による次期インターセッショナル年度において「ISG on CBMs」の共同議長を務める旨の申し出を歓迎した。また、閣僚は、2005年10月17日から19日まで米国のホノルルで第1回目の「信頼醸成措置及び予防外交に関するインターセッショナル支援グループ(ISG on CBMs and PD)」を開催し、2006年の第1四半期にフィリピンで第2回会合を開催することにつき留意した。

40.閣僚は、ARFの活動にかかるすべての提案は最初にインターセッショナル支援グループ・レベル/インターセッショナル会合レベルで議論され、高級事務レベル会合で同意されなければならないとの手続を再確認した。閣僚は、別添Vにある次期インターセッショナル年度(2005年7月‐2006年7月)の作業計画を承認した。

ARFプロセスの将来の方向性

41.閣僚は、2000年7月31日にブルネイで採択された「ARFプロセスのストックテーキングに関する9つの提言」を引き続き実施することにつき同意した。閣僚は、ARF議長が「強化されたARF議長の役割」に関するペーパーに記されたマンデートを実施するにあたって、更に同議長に対する協力及び支援を行っていくことに同意した。

42.我々は、予防外交に向けたARFの進展を歓迎した。この点に関し、閣僚は、現在の「信頼醸成措置に関するISG」に代わり「信頼醸成措置及び予防外交に関するISG」を設立することに同意した。閣僚は、ARFが予防外交において行動し及び作業を行うにあたり、ARFにとって指針となる既に採択された「予防外交の概念と原則」の重要性を想起し、予防外交における具体的な措置の発展に期待を示した。

43.閣僚は、ARF議長がより一層の役割を果たすための標準的な運用手続を策定すること{前2文字ママ}決定した。閣僚会合は、ARFに「議長フレンズ」を設けることに合意するとともに、このように随時設けられるグループは、ARFの議長を支援するための助言的役割を有し、その構成に関しては柔軟たりうるとの理解の下、本概念にかかる付託事項の草案を作成する旨のフィリピンによる申し出を歓迎した。

44.閣僚は、ARF参加メンバー間の透明性及び信頼醸成を促進するため、「ARF年次安保概観(ASO)」を引き続き発行することにつき同意し、ASO第6巻の発行を歓迎した。

45.閣僚は、2005/2006年のインターセッショナル年度にARF専門家・著名人(EEP)会合を「ARF・EEPの運営のためのガイドライン」に沿って開催することにつき同意した。閣僚は、定期的に更新されるEEP登録簿が「ARFネット」で入手可能である点につき留意した。

46.閣僚は、安全保障にかかる他の地域的機関及び国際機関との連携、及びトラックIとトラックIIとの連携を強化することを継続する必要性につきを{前3文字ママ}強調した。

47.閣僚は、ARFユニットがARF議長を支援し、ARFの組織的な記憶を発展させていることを賞賛した。これには、定期的に更新される「ARFの決定及びその現状に関する一覧表」(ARFネットで入手可能)や、http://www.aseanregionalforum.org/においてARFインターネットホームページ及び仮想通信ネットワークを整備していることを通じた取組が含まれる。閣僚は、いくつかのARF参加メンバーがARFユニットに対し支援を行っていることを確認し、他の参加メンバーにも同様のことを行うよう奨励した。

48.閣僚は、ARFのプロジェクト、活動及び決定を実施する目的のために、別添VIのとおり「ARF基金設立のための付託事項」を採択した。

49.閣僚はARFへの参加申請は、各事案毎に考慮されることに留意した。この関連で、閣僚はASEANがバングラデシュを第26番目のARFの参加国となることを一致して受入れたことを歓迎し、これに同意した。バングラデシュの参加は第13回ARFにおいて正式なものとなる。

50.閣僚は、ARFプロセスの進展に関し開かれた対話が行われたことに満足の意を表明するとともに、参加メンバー間相互の信頼及び信用を引き続き醸成しつつ、コンセンサスの原則に則り、かつすべての参加メンバーにとって快適なペースで、ARFプロセスを予防外交の段階、さらにはその先に向けて前進させるとの決意を示した。