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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 安倍内閣総理大臣記者会見

[場所] 
[年月日] 2017年8月3日
[出典] 首相官邸
[備考] 
[全文]

【安倍総理冒頭発言】

 先の国会では、森友学園への国有地売却の件、加計学園による獣医学部の新設、防衛省の日報問題など、様々な問題が指摘され、国民の皆様から大きな不信を招く結果となりました。

 そのことについて、冒頭、まず改めて深く反省し、国民の皆様におわび申し上げたいと思います。

 国民の皆様の声に耳を澄まし、国民の皆様とともに、政治を前に進めていく。

 5年前、私たちが政権を奪還した時のあの原点にもう一度立ち返り、謙虚に、丁寧に、国民の負託に応えるために全力を尽くす。一つ一つの政策課題にしっかりと結果を出すことで、国民の皆さんの信頼回復に向けて一歩一歩努力を重ねていく。

 その決意の下に、本日、内閣を改造いたしました。

 今回の組閣では、ベテランから若手まで幅広い人材を登用しながら、結果重視、仕事第一、実力本位の布陣を整えることができたと考えています。

 最優先すべき仕事は経済の再生です。安倍内閣は、これからも経済最優先であります。司令塔は、今まで党の政策責任者であり、経済産業大臣の経験もある茂木大臣にお願いしました。

 4年間のアベノミクスにより、雇用は200万人近く増え、正社員の有効求人倍率も1倍を超えました。正社員になりたい人がいれば、必ず一つ以上の正社員の仕事がある。政治の大きな責任を果たす。やっとここまで来ることができました。

 しかし、まだまだやるべきことがあります。雇用を増やし、賃金を上げる。この経済の好循環を更に加速することで、デフレ脱却を成し遂げる。茂木大臣には、留任となる麻生財務大臣、世耕経産大臣と力を合わせ、アベノミクスを更に加速させてもらいたいと思います。

 さらに、茂木大臣には、今回新たに設けることとした「人づくり革命」の担当大臣もお願いしました。

 子供たちの誰もが家庭の経済事情にかかわらず夢に向かって頑張ることができる社会。幾つになっても学び直しができ、新しいことにチャレンジできる社会。人生100年時代を見据えた経済社会の在り方を大胆に構想してもらいたいと思います。

 「働き方改革」の実行は、加藤大臣です。

 戦後ずっと続いてきた長時間労働の慣行を断ち切る同一労働同一賃金を導入し、正規と非正規の壁を打ち破る。働き方改革はいよいよ実行の段階に移ります。実行計画を取りまとめた加藤大臣に、厚生労働大臣として次の臨時国会で必要な法案の成立を目指してもらいます。

 構造改革こそがアベノミクスの最大の武器であります。突破力のある人材を積極的に登用し、時代のニーズに応える改革を断行いたします。

 農政改革は、当選3回の若手ながら、これまで党の農林部会長、農水副大臣としてTPP交渉や農協改革など攻めの農政を主導してきた齋藤大臣にお願いいたします。

 中川環境大臣も、初入閣ですが、かつて環境事務次官も務めた環境政策のプロです。パリ協定の実施に向けた長期戦略の策定など、世界の温暖化対策をリードする大胆な経済社会の変革に挑戦してもらいたいと思います。

 規制改革全体の旗振り役は、梶山大臣です。地方の個性を生かした「地方創生」を力強く進めていく。そのために、岩盤のように固い規制にもどんどんチャレンジしてもらいたいと思います。

 国家戦略特区での獣医学部新設では、内閣府と文部科学省との調整過程をめぐり、当事者間で言った言わないの水掛け論に陥り、疑念を招きました。梶山大臣には、こうした省庁間の調整プロセスも含め、更なる透明性の向上に向けて特区制度の運用強化を進めてもらいます。

 林文部科学大臣は、これまで様々な閣僚を歴任し、霞が関の組織をまとめ上げてきた豊富な経験をお持ちです。文部科学省の職員の心を一つにまとめ、省一丸となって教育の再生、科学技術の振興に邁(まい)進してもらいたいと考えています。

 北朝鮮が、先週またも国際社会の警告を無視し、ICBM級ミサイルの発射を強行しました。この重大かつ現実の脅威に対し、国民の安全確保に万全を期すことは、政府の最も重い責任であります。

 防衛大臣は、第二次安倍内閣発足以来、600日以上にわたって安全保障の立て直しに尽力してくれた小野寺大臣にお願いしました。強固な日米同盟の下、防衛体制と能力向上のため、具体的な行動を進め、我が国防衛力の強化に努めてもらいたいと思います。

 北朝鮮をめぐる情勢が緊迫する中、日米同盟の絆(きずな)を更に深めながら、韓国、中国、ロシアとの良好な関係を構築する。地球儀を俯瞰(ふかん)する外交を一層前進させなければなりません。

 国際情勢が激動を極める時代にあって、世界の潮流をしっかりと見定める、柔軟でしなやかな外交が求められています。河野外務大臣には、持ち前の発想力と行動力を大いに発揮してもらいたいと思います。

 法務大臣は上川大臣です。既に安倍内閣で法務大臣を務めていただいた実績があります。これまでの経験を生かし、テロ等準備罪処罰法の適正な運用など、再び法務行政のかじ取りを担っていただきます。

 3年後に控えたオリンピック・パラリンピックの担当は、鈴木大臣にお願いしました。政治経験が豊富なことはもとより、東日本大震災の被災地、岩手の出身です。2020年には、東北が復興した姿を世界に向かって発信する。正に復興五輪となるよう、準備を進めてもらいます。

 東北の復興なくして、日本の再生なし。これは安倍内閣の基本方針であります。吉野復興大臣には、引き続き、被災地福島出身の閣僚として現場主義を徹底し、被災地の声を復興につなげてもらいたいと思います。

 先月の九州北部豪雨を始め、本年も全国各地で自然災害が相次ぐ中、復旧・復興を進めるとともに、全国的な防災・減災対策も重要です。これまでの実績の上に、石井国土交通大臣には今後もその任に当たってもらいます。

 防災担当大臣兼国家公安委員長は、小此木大臣にお願いしました。今回が初入閣でありますが、これまで党や国会にあって危機管理対応に手腕を発揮してきた方です。

 今回は全部で6人の方が初入閣となります。若手、中堅ならではの発想力、突破力を期待しています。

 企業経営の経験を持つ松山大臣には、イノベーションやIT、知財戦略など、日本経済の未来を拓く戦略を練り上げてもらいたいと考えています。

 国会で消費者問題の特別委員長を務めたこともある江﨑鐵磨さんには、消費者及び食品安全の担当大臣をお願いしました。そして、現下の最重要課題の一つである沖縄及び北方対策に全力投球してもらいます。沖縄の基地負担軽減を担当する菅官房長官とともに、沖縄の皆さんの気持ちに寄り添いながら、可能性に満ちた沖縄の振興に全力を尽くしてもらいたいと思います。

 自民党は人材の宝庫です。

 老壮青のバランスを取りながら今回、それぞれの分野で専門性と実力を兼ね備えた人材を集めることができたと考えています。

 内閣の要である総務大臣兼女性活躍大臣は野田大臣です。私と当選同期であり、自民党が2度下野したとき、苦しいときも共に過ごしてきました。そして常に私にとって耳の痛い話もしっかりと直言してくれます。

 私たちが政権を奪還し、与党一丸となって危機突破に向けた体制を整えたときも、野田さんに党三役である総務会長をお願いしました。今度は閣内で政権を支えてもらいたいと思います。

 振り返れば5年前も、我が党を含め政治全体に対して、国民の皆さんの厳しい目が向けられていました。政治不信が高まる中での船出でした。

 一つ一つ結果を出すことが政治への信頼を回復する道である。そう信じ、内外の諸課題に自民党、公明党の安定した政治基盤の下で全力投球してきました。

 あの政権交代の時の強い使命感と高い緊張感を内閣全体として思い出し、あの原点にもう一度立ち返らなければなりません。

 党内の幅広い人材を糾合(きゅうごう)し、全ては国民のため、しっかりと仕事に専念できる、結果を出せる体制を整えることができたと考えています。

 この内閣は、いわば結果本位の「仕事人内閣」であります。

 国民の皆様の声に耳を澄まし、国民の皆様とともに政治を前に進めていく。そして、しっかりと結果を出していく。その決意でございますので、皆様の御理解と御協力、御支援をお願い申し上げます。

 私からは以上であります。



【質疑応答】

(内閣広報官)

 それでは、皆様からの御質問をお受けいたします。所属とお名前を明らかにして御質問をお願いいたします。

 初めに幹事社の方、どうぞ。

(記者)

 幹事社、時事通信の宮澤と申します。

 まず憲法改正について伺います。総理は自民党総裁として、今秋の臨時国会中に自民党の改憲案を提出し、2020年に新憲法を施行するという目標を示しておられます。一方で、先の東京都議選の結果や内閣支持率の下落を受けまして、こうした目標の達成は難しくなったという見方も出ていますが、従来、想定しておりました改憲のスケジュールに変わりはないのでしょうか。

 そしてまた、改憲発議に必要な3分の2の勢力を確保しておくという観点から、支持率低下を踏まえて早期の衆院選実施に慎重な意見がある一方で、野党の体制が整う前の今年中に衆院解散に踏み切るべきだとする意見も与党内にあります。公明党の山口代表も、先日、解散時期が早まるという見通しを示されたところですが、総理は年内に衆院解散に踏み切る選択肢を残しておられるでしょうか。よろしくお願いします。

(安倍総理)

 我々が政権を奪還した2012年の暮れ、産業の空洞化が進み、若い人たちがなかなか就職できない。そして、中小零細企業が倒産していく。そういう状況の中で、この経済の状況を何とかしてくれ。4月に高校を卒業し、大学を卒業する若者が仕事ができる、職に就くことができる経済を取り戻してくれ。この声に押されて私たちは政権を奪還しました。そして、経済最優先で取り組んできた。おかげさまで、有効求人倍率においては、正社員の有効求人倍率が史上初めて1倍を超えた。賃金も上昇し始めましたが、しかし、まだまだ、もっともっと賃金を上げていかなければいけない。企業も投資する。国民の皆様も安心してもっと消費をする。この経済の好循環を力強く回していくこと、このことが安倍政権の最重要課題であります。今でも経済最優先で取り組んでいく。その使命を第一に考えなければならないと考えています。

 その上で、本年で憲法施行70年の節目を迎えた。そして、この70年で世界の情勢も人々の暮らしも大きく変わった中において、憲法はどうあるべきか、考えていかなければならないのではないか。議論を更に深めていく必要があるとの考えから、私は一石を投じたわけであります。ある種のスケジュールについても一石を投じたわけでありますが、スケジュールありきではありません。そして、あの時も申し上げたわけでありますが、国会が発議をするわけであります。ですから、しっかりと国会で議論をしていく。

 また、党主導で進めていってもらいたい。今日も高村副総裁から、党でしっかりとやります。党に任せていただきたい。私もそのとおりだと考えています。これからはしっかりと党で議論し、そして、国民の皆様の議論が深まり、また、国会での議論が深まっていくことを期待しています。

 解散については、全く白紙であります。

(内閣広報官)

 それでは、幹事社の方、もう一社。

(記者)

 幹事社のテレビ東京の橋本と申します。よろしくお願いいたします。

 安倍総理は、冒頭、国民の大きな不信を招いたとの御発言がありましたが、加計学園の獣医学部新設については、各種世論調査などでも依然政府の説明に納得していないとの声が圧倒的です。今回の改造で関係する閣僚が交代になる中で、曖昧なまま政府が幕引きを図るのではないかという懸念の声もあります。南スーダンのPKO部隊が作成した防衛省の日報問題も含めて、野党は閉会中審査や臨時国会を早期に開催するなどして説明を求めていますが、これらの問題について政府の説明責任をどう果たしていくお考えでしょうか。また、臨時国会の召集時期についてはいつ頃を考えていらっしゃるのか、併せてお伺いします。

(安倍総理)

 閉会中審査については、先般も予算委員会が2日間にわたって開催され、私や政府関係者も出席し、御説明を重ねてまいりました。しかし、いまだに多くの方々の理解が得られていないということについて、真摯に受け止めなければならないと考えています。今後も様々な形で国民の皆様からの信頼回復に努めていきたいと考えております。その上で、国会から求められれば、政府として対応していくことは当然のことと考えています。臨時国会召集の要求については、内閣として、これまで同様、適切に対応してまいります。

 先般、シーリングが決定し、概算要求など来年度予算の編成作業が本格的にスタートしたところであります。こうした事情も考慮しながら、現在準備中であります国民の皆様にとっては大変重要である働き方改革のための法案など、国民生活に関わる諸課題をしっかりと整理した上で、しっかりと準備した上で、召集時期を決定したいと考えています。

(内閣広報官)

 それでは、これからは幹事社以外の方からの質問を頂ますので、御希望される方は挙手をお願いいたします。私のほうから指名いたしますので、改めまして、所属とお名前を明らかにした上で質問をお願いしたいと思いますけれども、質問はなるべく簡潔にお願いしたいと思います。

 では、御希望される方はどうぞ。

 どうぞ、お名前を。

(記者)

 東京新聞の古田と申します。よろしくお願いします。

 先ほど総理から各閣僚を選んだ理由を、いろいろお話がありました。最後に野田聖子総務大臣について、耳の痛い話もいただくというふうに説明がありましたが、そういう存在の人を、これまで総理に批判的な人を今回あえて閣内に入れたという狙いはどこにあるのかということと、とすれば、石破さんを今回、閣内及び党のほうの要職に起用しなかったというのは何か理由があるのでしょうか。お願いします。

(安倍総理)

 野田聖子総務大臣とは、平成5年の総選挙で初当選の同期であります。あの平成5年の総選挙では、我が党が野党になった、政権を失った選挙でありまして、私たちは野党生活から議員生活をスタートしました。どうして自民党は政権を失ったのか。みんなで、我々は若手でしたから、本当に真剣に議論し、執行部にも随分いろいろなことを言いました。それ以来、また再び、2009年の選挙においても自民党は野に下ったわけでありますが、様々な時を共に過ごした同期であります。平成5年の総選挙は自民党が政権を失う選挙でありますから、新人当選議員は28人しかいなかったのですが、今、更に相当人数は減っていますが、お互いに何でも言える関係であります。その意味において、何でも率直に、耳の痛い話も言ってくれる。そして、総務会長を務めていただいたわけでございます。その後は一議員として活動していただいた。いわば、国民の多くの皆さんの声を聞き、そして国民目線に立って物事を考えてこられたのだろうと思います。その意味で、今回、そういう方に一緒に入ってもらって政治を前に進めていきたいと考えています。

 そして、様々な意見があるからこそ自民党と言ってもいいのだろうと思います。幅広い意見があります。様々な課題についてお互いに相当の議論をしますが、意見がまとまれば、みんなで一つにまとまっていく。これが政権政党としての責任感なのだろうと、このように考えております。そういう意味では、英知を結集して当たっていきたいと思います。

 人事の様々な過程については発言は控えさせていただきたいと思います。

(内閣広報官)

 それでは、続きまして、真ん中の列の眼鏡をお掛けになった女性の方、どうぞ。

(記者)

 AP通信の山口と申します。

 日本の政府では、加計学園問題や自衛隊の日報問題など、疑惑や不祥事が続きました。北朝鮮ミサイル問題の懸念が高まる中、国内基盤が弱まって、安倍政権の外交、防衛政策の推進に影響があるのではないかというような海外の見方にどのように応えていかれますでしょうか。

 また、特に北朝鮮に関して、トランプ米大統領は必要な全ての手段をとる用意があるというふうに述べていて、実際に軍事行動に出るにはまだ慎重とは見られていますが、米軍基地を抱える日本として、日米連携をどのように進めていかれますでしょうか。よろしくお願いします。

(安倍総理)

 防衛政策を担当する閣僚に経験者である小野寺大臣、そして、外務大臣には河野大臣にお願いいたしました。日米同盟は、安倍政権下において、平和安全法制を制定し、新ガイドラインの下、かつてない強固な絆、基盤となりました。助け合うことのできる同盟は、その絆を強くする。北朝鮮がミサイル発射強行を続けておりますが、その中で、米国が空母2隻を派遣し、そして、自衛隊とともに共同訓練を行う。日本の航空機とも共同訓練を行う。直ちにそういう体制を示している。正に今までにない日米同盟の絆の強さ、強固な日米同盟であることを示していると思います。

 北朝鮮に関しては、先日、トランプ大統領と大変突っ込んだ意見交換も行いました。トランプ大統領から改めて、日米両国は強固なパートナーであり、米国の日本防衛に対するコミットメントは揺るがないものであるとの日本の安全保障に対する確約が表明されました。先日の北朝鮮によるICBM級弾道ミサイル発射は北朝鮮の脅威が増大した。日米双方にとって脅威が格段に増大したことを明確に示しているものであります。日米同盟の強化が今ほど求められていることはないと考えています。新閣僚の下で早期にツー・プラス・ツーを開催し、日米同盟全体の抑止力、対処力を一層強化するため、具体的な協議を進めていきます。

(内閣広報官)

 時間的にあともう一問ぐらいですけれども、最後に。

 では、芳村さん。

(記者)

 読売新聞の芳村と申します。

 今回、人事で4年8か月にわたって外相を務められた岸田氏を党の政調会長で起用されました。ポスト安倍の有力候補とも言われていますけれども、その岸田氏を党で起用する狙い。

 もう一つは、その後任に河野太郎氏を起用しましたが、特に近隣、中韓両国との関係についてどのような役割を期待するか。また、河野氏は脱原発を主張されておりますが、来年期限が切れる日米原子力協定に日本政府としてどのように交渉に臨まれるか。よろしくお願いします。

(安倍総理)

 まず、岸田大臣でありますが、長期にわたって外務大臣として地球儀を俯瞰する外交を共に進め、大きな成果を残してくれたと思います。オバマ大統領の広島訪問についても、岸田大臣の役割は本当に大きかったと感謝しています。そして、正に将来の日本を中心で背負っていく人材でもあります。今度は政策全般を見る、そして政策全般について進めていく、それぞれの政策を進めていく党の政策の責任者として政策を前に進めてもらいたいと、そう期待をしています。

 河野大臣においては、例えば原子力政策の問題につきましても、先に入閣をした際にも国会で答弁しているとおり、内閣の一員としては内閣の方針に従っていくということを明確に示されています。その点においては、私は、河野大臣に対して完全に信頼を置いているところでございます。

 そしてまた、同時に、今後の中国や韓国、ロシアとの外交等につきましても、まずは日米同盟が基軸でありますから、しっかりと、先ほども申し上げましたツー・プラス・ツー、早期に開催してもらいたいと思います。

 そしてまた、河野大臣は、国会議員になってから米国のジョージタウン大学卒業ということもあり、再々ワシントンにも出かけ、また米国にも出かけ、多くの人脈を、友人をつくっていると思います。議員交流も行ってくれています。そういう意味におきましては、日米同盟を強固にしていくという認識を持って職に当たってくれるものと期待しております。

 それと、今、質問の中にはなかったのですが、よく歴史認識について河野大臣のことで指摘されることがありますが、内閣の一員として、正に70年談話において、日本のこの安倍政権、そして閣議決定をしておりますから私たちの立場は明確となっており、河野大臣も完全に一致しているところであります。

 そして、ロシアにつきましては、9月にウラジオストクを訪問し、プーチン大統領と再び会談を行います。昨年12月に行った長門会談、そこで表明した平和条約問題の解決に向けた両首脳の真摯な決意を基に、旧島民の方々の自由な墓参や共同経済活動を進めて、平和条約の更なる前進を図りたいと思っています。

 中国とは、先般のG20ハンブルク・サミットで習近平主席と充実した首脳会談を行うことができたと考えています。北朝鮮問題について一層の連携を図るとともに、戦略的互恵関係の考え方の下、本年の日中国交正常化45周年、来年の日中平和友好条約締結40周年の機会に、あらゆる分野で安定的な友好関係を発展させていきたいと考えています。

 そして、韓国でありますが、文在寅大統領とは、先般のG20のハンブルクにおけるサミットにおいては日米韓の首脳会談も行いましたし、日韓の首脳会談を行うことができました。そして、その際、シャトル外交の展開で一致しました。

 また、日韓両国で緊密に連携して北朝鮮問題に対処するとともに、未来志向の日韓関係を発展させていく、構築していく。様々な分野で関係を発展させていきたいと考えています。

(内閣広報官)

 それでは、予定をいたしました時間を経過いたしましたので、これをもちまして、安倍内閣総理大臣によります記者会見を終わらせていただきます。

 皆様、御協力どうもありがとうございました。

(安倍総理)

 どうもありがとうございました。