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政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 鳩山内閣総理大臣記者会見

[場所] 首相官邸
[年月日] 2009年12月25日
[出典] 首相官邸
[備考] 
[全文]

【鳩山総理冒頭発言】

 たった今、平成22年度予算をまとめ、閣議決定をいたしたところであります。さきの総選挙において政権交代が実現をし、新内閣が発足をいたしましてから、昨日でちょうど100日が経ちました。この間、私たちは新しい政治をつくり上げるため全力を尽くしてまいりました。新しい政権がどのような国をつくろうとしているのか、どんな政策を実行するのか、この最初の本格的な予算編成で国民の皆さんに具体的にお答えをすることになります。

 これから皆さんに来年度の予算の内容を御説明いたします。今回の予算は、私は命を守る予算と呼びたいと思います。この予算をつくり上げていくため、私は3つの変革を行いました。

 まず、予算編成に当たって「コンクリートから人へ」という理念を貫きました。子育て、雇用、医療、環境など、人の命を守る予算を確保することに全力を傾注しました。他方、これらの予算を増やすために、単純に歳出を増やすのではなく、既存予算の削減に徹底的に取り組んでまいりました。公共事業を削減し、予算が使われる中間段階での税金の無駄を徹底的に排除して、最終的な需要者の方にお金が届くようにいたしました。その結果、マニフェストを実行するのに必要な財源約3兆円は、安易な借金ではなく、歳出削減や公益法人の不要な基金の取り崩しなど、既存予算の見直しで捻出することができたのでございます。

 2つ目は、政治主導の徹底であります。政治が考え、政治が責任を持つ予算編成にしたということでございます。従来は、財務省が予算の原案を作成し、あらかじめ決められたシナリオどおりに予算編成が行われていました。しかし、今回の予算の編成では、菅副総理が司令塔となり、節目では私が指示をしながら、国家戦略室を中心に官邸主導で予算編成を進めました。財務省が予算の原案をまとめるということもやめました。予算の基本方針やマニフェスト関連など、重要な案件については、閣僚委員会や3党での協議、あるいは関係大臣、副大臣による折衝など、政治主導で調整を行ってまいりました。

 税制改正についても、税は政治なりという考え方の下で、税制調査会の委員はすべて政治家とし、従来、政府と党に二元化していたプロセスを一元化して、政治が税制に責任を持つ体制を確立いたしたのでございます。

 このような政治主導の徹底によって、既存の枠組みにとらわれない、思い切った予算の増額や削減ができたと思っております。

 3つ目は、予算編成プロセスの透明化であります。この点では、行政刷新会議が行いました事業仕分けが、国民の皆様から高い支持をいただいたのは御案内のとおりでございます。個別事業の予算をどうするかについて、公開の場で民間の仕分け人の方も一緒に議論をするというのは、初めての試みでございました。「こんな無駄があったのか」、「予算が決まっていく過程が見えるぞ」、「政治が身近に感じられる」といった声をたんさくちょうだいいたしました。この結果、いわゆる中抜きや不要な基金の積み立てなど、旧政権では見過ごされてきた、しかし、国民の常識から見れば明らかな無駄がたくさん見つかったのでございます。

 この事業仕分けの結果は、大半が予算に反映され、対象外の事業にも横断的に適用されて、大幅な無駄の削減ができたと確信をしております。

 次に22年度予算の具体的な中身を御説明申し上げます。まず、予算の骨格でありますが、総額は92.3兆円、これは過去最大でございます。要求は95兆円でありましたから、そこから約2兆7,000億円削減をいたしました。他方、歳入面では特別会計や公益法人の見直しにより、過去最大の約11兆円の税外収入を確保いたしました。その結果、国債発行額は44.3兆円と44兆円を少し超えましたけれども、ほぼ44兆円に抑えることができました。入るを計りて出ずるを制す。44兆は税収の落ち込みなども踏まえて、財政規律を守るための目標としてきた水準であります。これを達成することができ、未来への責任を果たせたと思います。

 経費別で見ると、社会保障関係費が10%と大幅な伸びとなる一方、公共事業関係費は18%減と2割近い削減をいたしました。まさに「コンクリートから人へ」でございます。

 また、景気対策に万全を期し、経済情勢の変化に臨機に対応できるよう、2兆円規模の予算枠をつくりました。今後、景気の動向をしっかりと見極めつつ、国民の皆さんが心配しておられる景気の二番底を回避するために全力を尽くしてまいります。

 次に、新政権が国民の皆さんにお約束したマニフェストや連立政権合意など、予算の主要事項について申し上げます。まず、子ども手当についてであります。マニフェストでお約束したとおり、子ども手当を子どもお一人当たり月1万3,000円、年間15万6,000円を支給いたします。所得制限は設けません。家計の収入がどのように変動しようとも確実に支給されるようにいたします。また、支給に当たり、受領者が自治体に簡便に寄附でき、各自治体がそれを子育て支援に活用できるような仕組みをつくります。

 公立高校の実質無償化に関してでありますが、子育てに関しては子ども手当のほか、公立高校も無償化するとお約束をいたしました。そのとおり国が授業料相当額を負担し、実質的に授業料を無料といたします。

 また、私立高校生のいる世帯に対しても、年額12万円、低所得世帯は24万円の支援を行うことにいたしました。

 次に雇用であります。雇用対策の柱として収益が減っても、雇用を維持する会社に賃金の一部を補助する、雇用調整助成金を前年度に比べ10倍以上に増額いたします。これによって22年度中に大企業で約75万人、中小企業で約155万人分の雇用を守ることができます。

 医療や介護の充実も推進いたします。診療報酬について10年ぶりのプラス改定を行います。また、配分の大胆な見直しを行い、地域の中核的病院や救急、産科、小児科、外科の充実を図ります。介護についても介護施設内における保育所の整備を促進し、労働環境の改善を図ります。

 また、国民の健康の観点からたばこの消費を抑制するため1本当たり3.5円、価格にして5円程度の増税を行います。肝炎対策については、肝炎患者の皆様と11月に官邸でお会いし、その切なる思いを私なりに受けとめたところでございます。その思いに応えるために、肝炎治療の助成対象の拡大と自己負担限度額の引下げを行います。

 環境に関してであります。命を考えるとき、人の命だけではなく、私たちが生きている地球の命を守ることも大切であります。我が国が環境分野で世界をリードしていくため、CO2を回収、貯蓄する技術や燃料電池など環境技術開発を進めます。また、電気自動車などの普及を強力に推進いたします。科学技術は社会の夢を育み、我が国が将来にわたり知恵で生きていくための基盤をつくる重要な手段です。無駄や省庁間の重複を排除しつつ、グリーン・イノベーションの取組みを始め戦略上、真に重要な分野に重点的・効率的な投資を行ってまいります。

 農業については、お約束どおり、農家に対する戸別所得補償制度を創設いたします。高速道路の無料化については、まずは路線を限定した社会実験を実施し、その影響を確認しながら、段階的に進めていくことにいたしました。

 ガソリン税などの暫定税率につきましては、熟慮に熟慮を重ねた結果、現行の10年間の暫定税率は廃止をするものの、税率水準は維持することといたしました。

 ただし、原油価格の異常な高騰が続いた場合には、暫定税率分の課税を停止できるような仕組みをつくります。

 それから、中長期の戦略でありますが、国民生活を守っていくには経済成長が必要でございます。それが財政再建にもつながってまいります。そこで中長期的な観点から、雇用、環境、子ども、科学技術、アジア等に重点を置いた新たな政策のパッケージ、新たな成長戦略を策定し、早急に実施していきたいと考えています。

 また、財政規律についても、来年前半には複数年度を視野に入れた中期財政フレームを策定するとともに、中長期的な財政規律の在り方を含む財政運営戦略を策定し、財政健全化への道筋を示します。

 これから取り組んでいく課題として、新しい公共があります。官だけではなく、市民、NPO、企業などの民間が積極的に公共的な財、サービスの提供主体となり、教育や子育て、まちづくり、介護や福祉などの身近な分野で活躍していただく。そうした新しい公共を目指す取組みを積極的に支援してまいります。

 このテーマについては、年明け以降、円卓会議を設けて、NPOの皆さんなど、実際に活動しておられる方々の御意見や国民の皆さんの声を聞きながら、本格的に取り組んでまいります。

 思えば、この内閣は国民の皆さんとの約束から始まりました。新政権の運営は、この約束に基づくものでなければならないという思いで予算編成を行ってまいりました。実際には厳しい財政事情もあって、マニフェストでお約束したことすべてをそのまま実現することはできませんでした。国民の皆様方の声を聞いて見直した部分もございます。しかし、総じて申し上げれば、子ども手当、高校無償化、医療の再生など、マニフェストの多くのものは実現できたと思っておりますし「コンクリートから人へ」という基本的な理念もしっかりと貫くことができたと思っております。

 この平成22年度予算を、来年召集する国会にできるだけ早く提出をいたします。これからも国民の皆様方とともに、よりよい日本、新しい日本をつくっていきたいと思っています。

 ありがとうございました。

【質疑応答】

(問)

 今回の一般会計の総額は、約92兆円と過去最大。また、国債発行額も最大となります。世論調査などでは、マニフェストを修正してでも財政規律を守るべきとの意見が多い中で、結局は民主党が批判してきたばらまき予算になっているのではないかという指摘もあります。この点についてはどうお考えでしょうか。

(鳩山総理)

 一般会計の総額は過去最大でございます。おっしゃるとおりであります。国債発行額も44兆円ということで過去最高と、前年度と今年度でありますが、ほぼ匹敵する額となっております。ただ、私は、これは財政規律を守ることができるぎりぎりの線を確保することができた。そのように思っております。

 御案内のとおり、経済状況、雇用環境、極めて厳しいものがあります。したがいまして、一番大事なことは、私たちは国民の皆さんの命を守っていかなければなりません。守るために必要な予算というものを組ませていただく。ただ、それは今までのような、従前のやり方ではなく、すなわちハコモノ、公共事業中心ではなく、むしろそれは大幅に削りながら、命を大切にする予算というものに変えていきました。その一番特徴的なものが、御案内のとおり、子ども手当だと、そのようにも考えております。

 このような予算を組んでいきながら、国民の皆様方の暮らしを少しでもいい方向に導いていくための予算をつくり上げていくことができた。それは決して、今までのようなばらまき予算というものではない。

 その証拠として、私どもとすれば、仙谷大臣を中心として、いわゆる事業仕分けというものを行ってまいりました。この事業仕分けももっとあるのではないか、減らせるのではないか。いろいろなお気持ちもあったと思いますが、短い時間の中で最大限の御努力をいただいたものだと、そのように私なりに感じておりまして、歳出はいわゆる無駄を徹底的に省く中で、必要な予算というものを組ませていただいた。そのように考えておりまして、そういう意味で決して、ばらまきという批判は当たらない。そのように考えております。

(問)

 普天間基地の移設関連予算についてですけれども、結局予算の中ではその移設先や具体的な金額は明記されませんでした。アメリカの反発も予想されますけれども、今後アメリカ側にこの移設問題をどのような形で、どのように説明されていかれるおつもりでしょうか。また、来年5月までの移設先選定期限との関連についてですけれども、総理自身は5月までに移設先を必ず確定させるというお考えはおありなのでしょうか。

(鳩山総理)

 まず普天間の移設問題でありますが、私どもは御案内のとおり、5月までに新しい移設先というものを含めて決定をしてまいりたい。そのための最大限の努力をすることをお約束をいたします。そして、そのときに合わせてということではありますけれども、米軍再編の予算というものは組ませていただいているところでございまして、環境影響評価というものも行っていくということをいたしております。

 すなわちアメリカに対しましては、予算というものは新しい移設先というものが決まったときに、必ず予算は付きますということも当然のことながら、今、申し上げたように伝えることが重要だと思っておりまして、アメリカに対して、そのように御理解をいただくことは十分に可能だと私は考えているところでございます。

 米軍再編に関して、今は普天間の移設先を5月までにできるかどうかということでありましたので、私としては最大限の努力を傾注をしてまいりたい。ある意味で最大のテーマだと、そのぐらいの思いで努力をしてまいりたいと思っております。

(問)

 総理は今回の予算編成を経験して、非常に財政状況が厳しいということを実感されたかと思うんですが、先ほど中長期的な財政運営戦略というものも策定するというお話がありましたけれども、一方で総理は就任に当たって消費税率の引き上げは4年間行わないということをおっしゃって就任されたかと思いますが、こういった状況を受けて、財源確保のために消費税率を引き上げる。あるいはそれに代わる大型間接税の導入を検討する。そういうお考えがあるかどうかをお伺いしたいです。

(鳩山総理)

 これは、私は今年の政権交代を実現した総選挙において、4年間消費税の増税は行わない。そのことを国民の皆さんにお誓いをした。そして、そのことに対しては、私は大きな賛同が得られたものだと思っております。

 したがいまして、大変厳しい財政状況であることはわかっておりますが、だからと言ってこの4年間の間に消費税の増税を考えることは決してありません。財政の規律を守らなければならないことは言うまでもありません。それだけに私どもとしては更にさまざまな形で歳出削減に向けて、また事業仕分けというものを更に徹底をしていくことなど、無駄を省く、徹底的になくしていくための努力を今まで以上に更に来年度も行っていくということになろうかと思っております。

(問)

 今回、予算ではマニフェストで掲げた政策をどこまで盛り込めるかということが注目されました。先ほど総理も御自身でおっしゃいましたが、子ども手当ですとか、高校の実質授業料無償化などはおおむね要求どおりとなりましたが、高速道路の無料化などについて、大幅に削減されることになりました。

 今回、命を守る予算と総理はおっしゃいましたけれども、特にどの政策にこだわったか。また、そのためにどのような工夫をされたか。そして、自民党政権と比べて、国民の暮らしが今回の予算でどう変わるかということをお聞かせいただけますでしょうか。

(鳩山総理)

 今、お話がありましたように、私は今回の予算編成は、大変にメリハリのついた予算になったと思っています。「コンクリートから人へ」という大きな基本的な理念の下で、一番そこに腐心をしたわけでありますが、子ども手当などがあります。社会保障費が9.8%、約10%アップされました。また、文教科学、すなわち子どもたちの未来あるいは日本の未来というものをつくり上げていくための文教科学予算も5.2%増ということになっております。

 地方が厳しい。命を守るというのは、地方を守るということにも等しいかと思っておりまして、地方を守る予算も地方交付税交付金5.5%アップだということでございます。いわゆる農業の戸別所得補償制度というものの導入があり、食糧の安定のためのお金も34%アップということになっています。

 一方では、公共事業に対しては18%削減ということになりました。これは今までの予算、いわゆる財務省が各役所とそれなりに事前に協議をして決めてきたような中での、官僚主導の予算では決してあり得なかったことだと思っておりまして、私どもとすれば、徹底的に命を大切にする、すなわち皆さん方の若い方々もそう、それから、お年寄りの方々も、未来というものの安心というものを少しでも今まで以上に確保できるような予算というものの仕組みをつくりたい。その発想で、必ずしも不要とは言いませんが、不急の事業に対しては、大幅にカットをさせていただいた。そこが一番私どもが苦労をしたというか、腐心をしたところだと理解を願いたいと存じます。

(問)

 先ほどの中でも暫定税率に絡みまして、ガソリン税の引き下げなどありましたけれども、実質的にマニフェスト変更になっていると思うんですけれども、熟慮に熟慮を重ねたということですけれども、具体的にどういう判断基準で、どういうことを理由にマニフェストを変更したのか。国民の声というあいまい、抽象的なことではなくて具体的な説明をお願いしたいと思います。

(鳩山総理)

 幾つか理由がございます。その一つは、確かに昨年、いわゆるガソリン値下げ隊が頑張ったときのガソリンの値段と、今かなり低位に安定しているガソリンの価格が大きく違うというのが1点ございます。すなわち国民の皆様方のお暮らしの中で、今、ガソリンの値段というものがそれほど大きなテーマになっていない。それが結果として国民の皆さんの世論を形成している。すなわち本来ならば暫定税率をなくせと、これは減税ですから、当然そのお声を国民の皆さんが挙げられると私どもは考えておりましたが、必ずしもそうではなかった。むしろ財政が大変厳しい中で、このお金を減らすぐらいであれば、そのまま維持して、もっと大事なところに使ってもらいたいというお声をたくさんちょうだいした。これがやはり一番大きかったと思っています。すなわちガソリンの価格と国民の世論の声でございます。

 それと同時に、財政が大変厳しいということも当然一つ大きな理由になっているということも実態でございますし、更に申し上げれば、私もCOP15に行ってまいりましたけれども、地球環境問題が大変大きく叫ばれていく中で、エコの観点からどうなんだと、ガソリンの値段を大きく下げることはいかがなものかという思いがありました。また、一旦下げて、また、少しだけ低く戻すというのは姑息ではないかという御批判もいただいておりました。さまざまな理由を考えさせていただく中で、熟慮に熟慮を重ねたということで、結論として維持という結果になった次第でございます。

(問)

 マニフェストについてお伺いします。総理は4年間かけてマニフェストを実現するとおっしゃってきましたけれども、暫定税率分を維持するなど、今回の予算編成でマニフェストを修正するということになりました。来年の参議院選挙に向けて、これまでつくってきた工程表を含めて、マニフェストを見直す作業に入るというお考えはございますでしょうか。

 今回のマニフェストを修正することによって、マニフェストに対する信頼性というものが揺らいできていると思います。これまで、マニフェストというのは国民との契約だというふうに総理はおっしゃってきましたけれども、そのマニフェストの位置づけというものを変えるというお考えはありますしょうか。

 先ほどの質問にもありましたが、普天間なんですが、来年の5月までという期限を設けられているのはなぜでしょうか。その理由についてと。

 消費税増税についてですが、参議院選後も議論はしないということでよろしいでしょうか。

(鳩山総理)

 まずマニフェストは、確かに民主党にとっての国民の皆さんとの契約でございます。連立政権でありますが、やはり民主党が中心の連立政権であることから、そのマニフェストの履行が基本として求められてきていると考えております。

 その意味では、暫定税率が中心ではありますが、必ずしもすべてがそのとおりに来年度履行されていかないということに対して、私も国民の皆さんに申し訳ない思いを感じて申し上げたところでもございます。

 したがいまして、先ほど申し上げましたように国民の皆様方のさまざまな御意思というものも重要に考えていく必要があろうかと思いますので、これから我々としては4年間に実現をしたいと思っております工程表というものを作成しておりますが、1年目に変更が出ている以上、当然何らかの修正が必要になってくると考えております。

 しかし、これは基本と、ある意味での応用の部分だと思っておりまして、基本は基本として守っていきながら、国民の皆様方の思いなども、更に財政の事情などもさまざま勘案しながら工程表というものを修正していくこと、そのことを国民の皆さんと一緒にお約束したことがこのように変わっていきますけれども、御理解いただけますかと、オープンな形で理解を求めていくプロセスが必要なのではないか、そのように考えております。

 普天間の移設の時期に関してでございますが、私はアメリカが理解を示していただくとすれば、余り長い期間ずるずると待たせるということは不可能だと思いました。せいぜい半年以内だなという認識がございましたので、5月、特にそのころにまた訪米とかという話があるいは出てくる可能性もあるわけでございますので、そういうことも考えていく中で、そのころまでには最終的な結論というものをつくり上げていかなければならない、政府の責務だという認識でそのように考えたところでございます。

 消費税でありますが、4年間は上げないと申し上げているところでありますだけに、参議院の選挙が終わったとしても、そこでどのような形になっても、だから変更します、上げますという理屈は通らないと考えております。

 以上です。