データベース「世界と日本」(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 米国における同時多発テロ事件についての小泉内閣総理大臣記者会見

[場所] 
[年月日] 2001年9月12日
[出典] 首相官邸
[備考] 
[全文]

 昨日、米国において発生した同時多発テロ事件は、数多くの貴い人命を奪う、極めて卑劣かつ許しがたい暴挙であります。これは、米国のみならず民主主義社会に対する重大な挑戦であり、強い憤りを覚えます。

 ここに改めて犠牲となられた方々に哀悼の意を表するとともに、米国大統領及び米国民、被害者の方々に対し、心からのお見舞いを申し上げます。

 我が国は、米国を強く支持し、必要な援助と協力を惜しまない決意であり、このようなことが二度と起きないよう、世界の関係国とともに、断固たる決意で立ち向かっていかねばならないと考えます。

 我が国としても、昨日来官邸に対策室を設置して情報の収集と対応に当たっているところであります。また、先程、全閣僚が出席して安全保障会議を開催し、次の6項目からなる政府の対処方針を決定いたしました。

1.関係省庁が一体となり、政府全体として邦人の安否確認を含めて情勢の的確な把握と対応の万全を期する。

2.邦人関係者に対して、できる限りの対策を講じるとともに、国際緊急援助隊の派遣等を検討し、要請があれば速やかに対応できる体制を整える。

3.国内の米国関連施設等の警戒警備を強化するとともに、情勢に応じ随時必要な措置を採る。

4.国民に対する適切な情報提供及び注意喚起に努める。

5.国際テロに対しては、米国をはじめとする関係国と力を合わせて対応する。

6.世界及び日本の経済システムに混乱が生じないよう適切な措置を講ずる。

今後、かかる方針に基づき全力で対処してまいりたいと考えております。