データベース「世界と日本」(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 退陣に当たっての宇野内閣総理大臣の記者会見

[場所] 自由民主党本部
[年月日] 1989年7月24日
[出典] 宇野内閣総理大臣演説集,120−121頁.
[備考] 
[全文]

 この会見、色々と時間を繰りあわせていただきまして、お礼を申し上げます。

 まず、逆風の中であるにも拘りませず、我が党を支援していただきました国民の皆さん、また、党員、党友の皆さんに、私は心から御礼を申し上げるものでございます。

 しかし、今回の選挙は、大変難かしい選挙でございました。

 我が党にとりましては、リクルート問題や、消費税あるいは農政批判と、困難な事態が継続して起こり、政策論争に至らぬまま選挙が終わったことは、誠に残念でありました。

 しかし、国民の審判は下りたのであります。私達は、国民のご審判に謙虚に耳を傾け、反省すべきは反省すべきであると、かように考えております。

 こうした敗戦の一切の責任は、私にあります。よって私は、総理・総裁を辞任することを決意し、その責任を明確にいたします。

 速やかに後継総裁を選出されるよう、今後のことは党にお任せいたします。

 当面の国政の運営に当たりましては、党並びに国会と十分相談して、政局に混乱を来たさないよう、最大の配慮をしてまいりたいと思います。

 また、当面の国政の遂行、諸外国との関係につきましては、方針を替えることなく、関係者を督励してまいりたいと思います。

 以上であります。