データベース「世界と日本」(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] エネルギー安全保障、クリーン開発及び気候変動に関する日米協力ファクトシート

[場所] 
[年月日] 2007年11月16日
[出典] 外務省
[備考] 
[全文]

福田康夫日本国内閣総理大臣及びジョージ・W・ブッシュ米国大統領は、2007年11月16日、ワシントンにて会談した。両首脳は、日本及び米国が、エネルギー安全保障、クリーン開発及び気候変動に対処するために緊密な協力と協調を続けていくことを再確認した。

日本及び米国は、以下について緊密に協力する。

 ● 12月のバリでの気候変動に関する国連気候変動枠組条約の会合を成功させ、2013年以降の実効性ある枠組みの公式な交渉を前進させる「バリ・ロードマップ」を構築する。

 ● 明年の日本でのG8北海道洞爺湖サミット(2008年7月7-9日)に関連して、G8各国が気候変動とエネルギー安全保障に関するG8のコミットメントを実行することを確保し、また、国連気候変動枠組条約の下での2013年以降の実効性ある枠組みの構築に向けて具体的な進展を達成するために協力する。

 ● 国連気候変動枠組条約の下での2009年までの全地球的な合意に対する詳細な貢献をもって完結する、2008年の首脳級会合に至る主要経済国プロセスを進め、全ての主要経済国が行動を取るというコミットメントに基づく、アプローチの柔軟性と多様性を許容し、環境面で効果的でかつ経済的に持続可能な、合意を追求する。

 ● 将来の全地球的な枠組みに関する主要経済国の議論を、以下を含む鍵となる要素に焦点を当てる。

  ○ 経済的発展の目的と調和する、温室効果ガス排出削減のための長期の世界目標;

  ○ 各国が、拘束的な、又は市場に基づく、又は自主的な措置の中から、環境面で実効的で計測可能な各々の組み合わせを選択することにより、世界的な目標を前進させるための中期目標を設定する国家計画;

  ○ 国際的なセクター別の議論によって進められる、低炭素化石燃料発電、運輸、土地利用及び炭素排出がゼロに近いエネルギー(例;原子力、風力及び太陽)、及びエネルギー効率を含む、主要セクターに関する協力的な技術開発と普及戦略;

  ○ よりクリーンで効率的な技術の採用を支援する資金メカニズム、及びクリーンエネルギー関連物品及びサービスの貿易障壁の削減・撤廃;

  ○ 進展を追跡する改善された計測・計算システム;

  ○ 全ての国連加盟国のための森林、適応及び技術へのアクセスに関する強固な計画

 ● クリーン開発と気候に関するアジア太平洋パートナーシップ(APP)において成功裡に示されているように、セクター別アプローチ及び官民協力の将来の、全地球的な枠組みのための価値を強調する。

 ● クリーンエネルギーと気候に関する技術の商業化及び採用を促進し、エネルギー効率を改善し、及びエネルギー安全保障と経済成長を強化しつつ温室効果ガス排出を削減するため、クリーンエネルギーと気候に関する技術の研究開発において引き続き主導的役割を果たすと共に、日本及び米国が実施しているようなこれら技術の研究開発への公的資金の増額を他の主要経済国に慫慂する。

 ● アジア太平洋地域において原子力エネルギーへの関心が高まっていることに照らして、温室効果ガスを排出しないクリーンな発電の選択肢を、核不拡散、原子力安全、核セキュリティを確保しつつ提供するため、国際原子力エネルギーパートナーシップ及び日米原子力エネルギー共同行動計画の下、原子力エネルギー分野での協力を更に促進する。