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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 米軍人による女子小学生暴行傷害事件に関する沖縄県議会抗議決議

[場所] 
[年月日] 1995年9月19日
[出典] 沖縄県議会(臨時会)会議録 平成7年第6回,12−13頁.
[備考] 
[全文]

議員提出議案第6号

米軍人による女子小学生暴行傷害事件に関する抗議決議

上記の議案を会議規則第14条の規定により提出する。

  平成7年9月19日

  沖縄県議会議長 嘉数知賢殿

              提出者 下地常政

                  幸喜勝

                  比嘉勝秀

                  喜久山盛忠

                  仲村清勇

                  伊波栄徳

                  太田守昭

                  山川勇

                  伊佐吉秀

                  宮里政秋

                  高良政彦

                  大城秀昭

理由

 米軍人による女子小学生暴行傷害事件に抗議し、今後の対策等について関係要路に要求するため。

  米軍人による女子小学生暴行傷害事件に関する抗議決議

 去る9月4日午後8時過ぎ、沖縄本島北部の住宅街で、3人の米軍人が買い物帰りの女子小学生を車でら致して暴行するという事件が発生し、県民に大きな衝撃を与えている。

 戦後半世紀が経過したというのに、最近の米軍による事件・事故の多発は目に余るものがあり、米軍に対する県民の不信と不満は頂点に達している。

 特に今回の事件は、行為そのものが人道にもとる極悪非道の野蛮な行為であるだけでなく、所属部隊の異なる3人の兵士が示し合わせた上で、基地内レンタカーを使用して実行した計画的な犯罪行為であり、県民の間には憤激の声が沸き起こっている。

 しかも米軍は、このような凶悪犯罪についてもなお日米地位協定を盾に県警への被疑者の身柄引き渡しを拒否し、県民の怒りに油を注ぐ結果となっている。

 米軍人・軍属によるこの種の凶悪事件は、平成5年8月の嘉手納基地内での日本人女性に対する暴行事件をはじめ、これまで幾度となく発生し、本県議会はその都度、米軍や関係機関に対し厳重に抗議するとともに、米軍人の綱紀の粛正や事件の再発防止を強く要請してきたにもかかわらず、このような凶悪事件が後を絶たないということは、米軍の綱紀が著しく乱れており、過去の事件を何ら反省してないばかりか、今なお過去の占領意識を引きずり人権無視の風潮が根強く残っていることを如実に示すものと言っても過言ではなく、絶対に許せるものではない。

 よって、本県議会は、県民の生命・財産と人権を守る立場から、米軍人による女子小学生暴行傷害事件に対し厳重に抗議するとともに、下記の事項が速やかに措置されるよう強く要求する。

1 被疑者の身柄を直ちに日本側に引き渡すこと。

2 米軍人の綱紀を粛正し、米軍人・軍属による犯罪を根絶すること。

3 被害者に対する謝罪と完全な補償を早急に行うこと。

4 日米地位協定を早急に改正すると同時に、基地の整理縮小を促進すること。

 上記のとおり決議する。

  平成7年9月19日

                    沖縄県議会

駐日米国大使

在日米軍司令官

在日米軍沖縄地域調整官     あて

在沖米国総領事