データベース「世界と日本」(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 日米安全保障条約締結三十周年に際しての日米首脳の共同ステートメント(海部内閣総理大臣)

[場所] 
[年月日] 1990年6月23日
[出典] 海部演説集,291頁.
[備考] 
[全文]

三十年前のこの歴史的な日に,日米両国の代表は,日米安全保障条約の批准書を交換し,ここに日米関係の基軸でありアジアの平和と安定の枠組みたる条約が発効した。

過去三十年の間に,太平洋地域の自由主義諸国は目覚ましい進歩と繁栄を遂げた。このような進歩は,平和と安定のための日米安全保障条約の枠組みなくしては成し得なかったものである。我々は,日米安全保障条約が三十年間にわたって果たしてきたこのような重要な役割を想起し,先人の賢明なる選択に敬意を表する。

日米両国は,結び合わされたその経済力,確固たる安全保障関係及び政治的・経済的自由を守る共通の信念をもって協力し,世界における積極的な変革の力となる。

日米両国は,平和のためのパートナーであり,このパートナーシップの基礎をなすのが日米安全保障条約である。日米安全保障条約は,今後とも日米両国がグローバル・パートナーシップを追求していく中で,日米両国の自由と安全を確保し,アジア・太平洋地域の平和と繁栄を促進するための不可欠の手段であり続けるであろう。

我々は,ここに日米安全保障条約を今後とも堅持し,その効果的な運用のために努力していくとの決意を新たにする。