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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] フォード米大統領の訪ソに際してのSALTに関する米ソ共同声明

[場所] ウラジオストック
[年月日] 1974年11月24日
[出典] 外交青書19号,157‐158頁.
[備考] 仮訳
[全文]

 1974年11月23日,24日の両日ウラジオストック地域で行われた実務会談において,フォード米大統領とブレジネフ・ソ連共産党中央委書記長は,戦略攻撃兵器の一層の制限に関する問題について詳細な討議を行つた。

 両者は,米ソ両国が戦略攻撃兵器の制限に置いている大きな意義を再確認した。両者は,この問題に関する長期協定が米ソ関係の改善,戦争の危険の減少及び世界平和の増進に大きく貢献すると確信する。1972年5月26日の暫定協定を含めこの問題に関するこれまでの諸協定の価値に注目しつつ,両者は,1985年末まで有効な戦略攻撃兵器の制限に関する新協定を締結する意図を再確認する。

 かかる新協定の実質的内容に関し意見を交換した結果,米大統領とソ連共産党中央委書記長は,同協定の作成を1975年に完了するための好ましい見通しが存在しているとの結論に達した。

 今後の交渉は以下の諸条項に基づくことで合意が達せられた。

1.新協定は,1977年10月まで効力を有する1972年5月26日の暫定協定の関連条項を含むものとする。

2.新協定は,1977年10月から1985年12月31日まで有効とする。

3.平等と相等しい安全保障の原則に基づき,新協定は以下の制限を含むものとする。

 A,双方は,合意された一定の総量の戦略的運搬手段を保有する権利を有する。

 B,双方は,個別誘導複数弾頭(MIRV)を装備した一定の総量の大陸間弾道ミサイル及び潜水艦発射弾道ミサイルを保有する権利を有する。

4.新協定は,1985年以降の時期における戦略兵器の一層の制限とその可能な制限の問題に関し,1980年ないし1981年より遅くない時期に更に新しい交渉を開始するとの条項を含むものとする。

5.前記の諸点を含んだ新協定を作成するための米ソ両代表団間の交渉は,1975年1月ジュネーヴにおいて再開されるものとする。