データベース「世界と日本」(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所
機密文書研究会 東京大学・法学部・北岡伸一研究室

[文書名] 昭和49年10月30日(在英大使発大臣あて公電)

[場所] 
[年月日] 1974年10月30日
[出典] 外務省,いわゆる「密約」問題に関する調査結果報告対象文書(1.1960年1月の安保条約改定時の核持込みに関する「密約」問題関連),文書1-9
[備考] いわゆる「密約」問題に関する調査報告の際に公開された文書。公開されたものは電信写記述用紙にタイプにした文書。漢字、送りがなの用法、誤記と思われるものも含めてできるだけ忠実にテキスト化した。欄外の書き込みの記録は本文前に記載しオリジナルの記載箇所を<>内に記した。
[全文]

<1ページ目 欄外上>

部内連絡{前4文字印}

*1* ●{前一文字「連絡ありたい」の箇所にチェック印あり}

極秘{前2文字斜めに記述}

<1ページ目 欄外左>

官房内 電

米長 保

条長 条

<1ページ目 欄外右>

山科と記載※{※は花押}

総番号(TA)71563

74年10月30日01時00分 英国 発

74年10月30日10時07分 本省 着

主管 米局長

外務大臣殿 森大使{前2文字囲み線あり}

部内連絡

極秘 大至急

東ゴウ次官へ 安川大使より

本件についての本使のとりあえずの見解次の通り。

1.本件交渉に当り最も重要なことは、事態をこのまま放置すれば、日米安保体制それ自体を危たいにひんせしめる点につきキツシンジャー長官の十分な理解を得ること{前45文字下線あり}であり、これが可能となれば本件処理に当つての諸般の処置につき米側のゆう断を期待しうるのではないかと考える。なお、本使としては、本件はフオード大統領訪日の際木村大臣よりキツシンジャー長官に正式に申し入れるべきもの{前35文字下線あり}と考えるが、これに先立ち本使より事前に事態を十分に説明しおくべきもの{前22文字下線あり}と考えるので所要訓令を部内連絡にて得たい。

2.事態が現在に立至つたのは、そもそも新安保締結交渉当時、米側がわが方にその立場を解明するのをおこたつたことに起因する{前30文字下線あり}のであつて、今後過去の経緯の対外的説明に当つては米側も最大限の協力を行うよう要求し得るもの{前37文字下線あり}と考える。

3.本使としては、本件交渉に当り特別扱いすべきは関係艦船の一時寄港及び領海通過のみ{前25文字下線あり}とし、前者については一時寄港の建前上寄港期限を定める問題{前10文字下線あり}が当然生ずると思われ、その場合ミツドウエーの事実上の「ぼ港化」の事態については何らかの形によるぜ正を極めて困難な問題ではあるが要求する必要が生ずる{前58文字下線あり}と思われる。

4.なお、在米大使館において本件を承知しているのは、本使のほかクリ山参事官のみである。念のため。

(了)

{*1* 下記の4行が各ページ欄外上に記載}

電信写

注意

1.本電の取扱いは慎重を期せられたい。

2.本電の主管変更その他については電信一般問合せ係(TEL2172)に連絡ありたい。