データベース「世界と日本」(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所
機密文書研究会 東京大学・法学部・北岡伸一研究室

[文書名] 沖縄返還問題に関する愛知大臣・マイヤー米大使会談

[場所] 
[年月日] 1969年7月17日
[出典] 外務省,いわゆる「密約」問題に関する調査報告対象文書(2.1960年1月の安保条約改定時の朝鮮半島有事の際の戦闘作戦行動に関する「密約」問題関連),文書2−5
[備考] いわゆる「密約」問題に関する調査報告の際に公開された文書。公開されたものは外務省罫紙に本文は手書きによる文書、別添はタイプによる文書。漢字、送りがなの用法、誤記と思われるものも含めてできるだけ忠実にテキスト化した。欄外の書き込みの記録は本文前に記載しオリジナルの記載箇所を<>内に記した。
[全文]

<1ページ目 欄外上>

特秘{前2文字囲み線あり}

大臣※{※は花押}

次官※{※は花押}

森審議官※{※は花押}

条約局長※{※は花押}

参事官※{※は花押}

条々長※{※は花押}

アメリカ局長※{※は花押}

参事官※{※は花押}

米北一長※{※は花押}

沖縄返還問題に関する愛知大臣・マイヤー米大使会談

44.7.17

(米北一長)

7月10日の会談は外部に対し伏せてあるのに対し、本17日の分は双方であらかじめ打合せの上、日本側より事前にプレスに流し、冒頭に写真班の立入りを許し、また会談後大臣が記者会見を行なった。

会談は大臣接見室において午後5時15分より6時30分にわたり、同席者は当方森外務審議官、東郷アメリカ局長,赤谷審議官(通訳)、千葉北米第一課長、先方オズボーン公使、エリクソン参事官、ウィッケル通訳官。会談要旨以下のとおり。

1.日本側見解文書について

2.「武力攻撃{前1文字旧字体}」

3.相互信頼について

4.具体的事例

5.事前協議の方法、手続

6.安保条約第7条の問題

7.米側コミュニケ案

8.1960年の了解

9.プレス対策

10.今後の取進め方

1.日本側見解文書(注)について

(注)7月10日会談の際の米側質問書のⅡ項につき当方で作成し16日に先方に手交したもの。外部に対しては一切その存在を秘匿。(別添1)なお、和文原稿を参考まで別添2とした)

(1)その性格及び"核コメントの手交

(イ)大臣、大使ともに本文書は口頭発言とすべきものを正確を期に書いたもので、将来議事録等の内容とする意図はなく、OFFICIAL STANDINGもなく、将来公表する性質のものでないことに意見一致した。

(ロ)大臣より米側質問書のⅠ項についての当方作成核コメント(対外厳重秘匿性格は(イ)と同:別添3)を手交。先方は検討を約した。

(2)米側感想

(イ)大使より見解文書はまだ本国に報告しておらず、以下は大使館限りの見解なりとして、文書Ⅰ(1)の(a)(特別取極不要)につき米側としては双方の必要をみたす適当な方法が見出され得るならば{前3文字波線あり}賛成し得る旨、同(b)(秘密取極不要)についても同様であるがもつと困難なるべく、米側としては口約束よりはもつと確実で恒久的なものを欲してい●●●●●{前5〜6文字程度、付箋で文字が隠れて解読不能}万一に備え秘密合意の形式(1960年の了解の如きもの、或は了解覚{前1文字旧字体}書など)について考えてみたいと付言した。

(ロ)大使より、韓国に関するステートメントにつき、7月10日と同様極東全体に関するコミュニケ案部分の價値低下の懸念がある旨、但し見解文書に第3者の誤解防止の意図が説明されていることを多とする旨を指適せるほか極東及び周辺地域の範囲についての政府見解等につき簡単に触{前1文字旧字体}れた。

2.「武力攻撃{前1文字旧字体}」

大使より見解文書のⅡの「しかしながら」以降は興味ありとして日本側のコメントを求めたのに対し、大臣より私見なりとして(イ)韓国領土空海内の米軍への攻撃{前1文字旧字体}と右のそとでのプエプロ号EC121事件とは性質が異り、日本側は常にYESなりと書くのは行過ぎと思うこと(ロ)後者の事例をカバーする為、非常に率直に言ってSEARCH AND RESCUEという名目なら自由使用と実質的に同じであろうこと(ハ)「自衛権発動としての米軍の行動」云々のくだりについては、これ以上書かなくても当方の意図は明らかなるべきこと(ニ)(大使の「領海外でもか」との問に答え)「事態が両国共通の安全保障上の利益に影響を及ぼす・・・と認められ」る場合は然りといえること(ホ)(大使の「事前協議がなくてもか」との問に答え)事前協議は要するが、見解文書Ⅲ末尾の「日本政府の回答が・・・であろうことは容易に想像されるところであろう」とあるのと同様、米側が日本のPOSITIONを了知しこれ以上多言を要しない意味なること、(へ)法的には主権国家のDECISION-MAKINGの権利を奪うこととなる様な「あらかじめYES」と言わせなくても、米国にはASSUREされるべきこと、を挙げた。

3.相互信頼について

大使が上述2.につき、余りにも多くが「相互信頼」という、現在はあっても人が替り政情が動けばなくなるものにかゝっていると述べたので、大臣より日本側の基本的哲学は相互信頼に余りにも疑いを抱き心配し出したらキリが無く、細部まで条約で取極めねばならなくなるが(イ)如何に何から何まで予想の努力をしてみても現実の侵略等は奇想天外の方法で行なわれるべくかは「コンピューター方式」は実際の役に立たなくなる(ロ)条約があっても仮に日本が共産化したら廃棄される運命にあるではないか、ということだと指摘。大使よりディーン・アチソン元国務長官の言を引用、締約国間に現実に存する力(FORCES)をREGISTERするのが条約であり、FORCESが存在しなくなれば一片の紙切れとなって了う、と述べた。

4.具体的事例

大使より次の例を考えてみたい、即ち公海上米軍の電子偵察機が同じく米軍のF4E戦斗機の護衛付で飛行中共産側のMIG戦斗機に襲撃{前1文字旧字体}された場合、右F4Eはたとえ日本本土や(復帰後の)沖縄の基地に配属されそこから発進したものであつてもMIGの攻撃{前1文字旧字体}を防ぐ権利があると思うが、如何と質問。大臣より右の如きはCASE BY CASEに判断すべきことではあるが、事態が一両国の共同の安全に対する脅威であると認識されゝば直ちにこれに対処する行動が取られることとなろうと述べたところ、大使はしかしそれでは事前協議で總理を呼び出している時間的余裕が無いとコメントした。

5.事前協議の方法、手続

(1)上述に対し大臣より、見解文書の範囲外ではあるが、(イ)自分はかねてより事前協議を受けた際の日本政府のやり方につき、交渉が進んだ段階で米側の理解と信頼を得られる方法をとりたいと考えている。同協議の方法としては外務大臣が先ず受けて總理の指示を仰ぎ直ちに回答出来る構えにしておくことが必要であろう。幸いにして過去9年間事前協議の事例はなかったが、その方法手続については日米間に話し合いすらもなく、協議の必要が生じたらどういうことになったかと寒心にたえない次第である。(ハ)米側としても色々の具体的事例を観念的に検討されるのはよいが、もつと重要なことは事前協議を日本側にどう受止めてほしいかということで、今の段階において率直に聞かせて欲しいと述べた。

(2)これに対し、大使より(イ)事前協議のやり方を検討して居られることを多とするが、今すぐ何とも申上げ兼ね、将来交渉の進んだところでお話ししたい。(ロ)米側としては米国(及び望むらくは日本も)が沖縄の施設の使用が必要なりと判断した際可能な限り自由に使用出来ることを期待していると述べた

6.安保条約第7条の問題

(1)大使より日本側としては将来安保条約に基いて色々の措置を説明すること、即ち同条約と矛盾しないことを明らかにし得るべく望んでいると考えるところ、今朝偶々思い付いた考えだが、同条約第7条に「この条約は国際連合憲章に基づく締約国の権利・・・に対してはどの様な影響も及ぼすものでは」ないと書いてあり、自衛権もかゝる権利の一つであることは明白なので、本条をよく研究したら、若干の起り得べき事態についてよい考えが浮いて来るかも知れないと思われる。(日本的見解文書のⅡの第2パラグラフにも自衛権が言及されている。)尤もまだ何ら固まった考えはない、と述べた。これに対し大臣よりよく研究してみたい旨述べた。

(2)続いてオズボーン公使より(イ)上記4の具体例の場合事前協議なしに応戦出来る筈で、そうでないというなら自衛権を剥奪する結果となること、(ロ)もう一つの問題は自衛権が直接攻撃{前1文字旧字体}單位(UNIT)にのみ限定されるか否かということで、上記例の2機はいずれも自衛権を持っている筈であること、(ハ)在日米軍は全体として一つの共通の任務を持つ一つのUNITである筈だがその部分同志がどの位離れていないと相互に支援出来ないかという問題もある。例えば米空軍機の一隊が三次基地至近の公海上空で攻撃{前1文字旧字体}を受けつゝあるとき、日本国内にありいつでも救援に行ける態勢にある他の一隊は事前協議なしで出動出来る筈だが、これも第7条によると考えられること、を述べた。また大使より条約とCOMPATIBLEであり第7条で説明がつくのなら事前協議手続方法に第7条の考えを入れたら如何、との発言があった。

7.米側コミュニケ案

大臣より米側のコミュニケについての文言、ワシントンで手交した日本案(但し外部へは厳重秘匿)に対する修正案といつたようなものを出してほしいと要望しつヽ、双方の主張はまだ合致していないが大体同じ線に乗って来たようだと述べたのに対し、大使より米案を出したいと念じているが、先ずは米側にとつて心配な問題点につき充分に討議しておくことは有益であると思う旨答えた。

8.1960年の了解

(1)大使より、見解文書Ⅳで韓国に関するステートメントが、1960年の了解が予見する事態よりも緊急度が低い場合をもカヴァーするとあるが、如何なる場合の意味なりやと質問、大臣よりこれに答えて(イ)了解は国連軍としての米軍は事前協議なしで出動してよいという趣旨だが、ステートメントは右に限定されずもつと巾の広い事態で米軍出動を必要とする場合を想定していること(ロ)この際文言は違って来るが了解の趣旨をコミュニケに盛って公表し、より広い場合についても約束した方がよいであろうこと、(ハ)かゝる考え方であるからこそ事前協議の迅速性確保につき米側と協力する用意がある次第なること、を説明した。

(2)これに対して大使は了解とステートメントの大きな差異は、前者が事前協議を免除しているのに対し、後者は日本に拒否権を与えていることである。米側としてはジョンソン次官がワシントンで申上げたとおり60年の了解以下のものを受諾するのはむつかしい、と述べたので、大臣より事前協議があるからステートメントは実質上了解より狭くなるとの解釈は間違っており、「事実上事前協議を免除するのと同じこと」を約束したいのである、と述べた。

9.プレス対策

(1)大使より本日の会談及び日本側見解文書につき本国への報告を出す要あり、この辺で失礼したいと述べ、次いでプレス対策として日本側提案(注:大臣よりの指示に基き、15日在京米大使館へ<1>安保条約体系の枠内での沖縄問題処理の原則については日米の考え方は大体寄って来ているとの印象を受けた<2>米側は極東情勢および沖縄基地の役割につき日本側よりきびしい見方をしているが、双方の考え方に基本的に差異はない<3>日本側は核ぬき本土並72年返還を目ざし頑張っているが、一々の米側との交渉内容は明らかにしない旨、プレスに会談後言うこととしたいと申入れた)につき米側としてSPECIFICな発言をAPPROVEもDISAPPROVEもしないが、交渉の初期からSPECIFICSにつきプレスに話すことは適当ならず、むしろ抽象的一般的に「問題の各様相につき話し合った」程度にしてほしいと要望した。{<1>は原文ではマル1}

(2)大臣より、しかしそれ丈ではプレスは満足しないであろうから(イ)ロジャース国務長官訪日の準備として「マ」大使が来られたものであること(ロ)日本側の72年核抜本土並提案につき米側としてより詳細を糺したい意向なること、(ハ)訓令未到着につき米側反対提案はまだ出ていないこと、及び(二)自分の印象としては本土並の考え方につき双方に大した異見がないようだ、ということを言いたいと発言したのに対し、大使はそれに同意する権限を貰っていないと述べ、大臣もそれを了承した。

(3)次いで大臣より「日本側提案につき種々の角度から質問があった」というのは如何、プレスは72年核ぬき本土並提案自体は周知しているがと質問、大使よりSPECIFICSについての米側の態度等でMISLEADしてはよくないので一般的表現をとられたいと繰返し、森外務審議官よりプレスは先ず日本側提案への米側反応ありしやと質問するに決っていると指摘、大使及び「オ」公使より「ワシントンで日米間に協議したことの細部につき糺したが、これを反応といえば反応だ」という答え方を示唆し、また大使より「ロ」長官訪日で何でも解決するとの誤解を与えないでほしく、また長い話し合いを必要とすることをはっきりさせて貰いたい旨重ねて要望した。

10.今後の進め方

 大臣の質問に答え大使より(イ)本日の如き会談、(ロ)貴大臣・本使が自邸等でPRIVATEに行なうtete a tete、及び(ハ)双方の代理者の会談の3方法が考えられると述べたので、大臣よりこれらの混合として、事務レベル(日本側は東郷局長)で目につかぬ会談を3回位やったら1回は貴使・本大臣がPRIVATEに会うのが最も実益あるべく、米側も代理者を指定されたら、と発言、大使より自分自ら東郷局長に会うこともあるべし、なお、スナイダー氏が着任すれば主として同氏がその任に当ろう、来週あたり事務的に打合せてから会談してみたい、と述べた。大臣よりこれに同意しつゝ見解文書の細部につき少しでも早く当方の意図につき説明せしめたい、として会談を了した。

<16ページ目 欄外上>

極秘無期限 12部の内12号{前14文字スタンプ}

別添1{前3文字手書き}

SECRET

(July 16, 1969)

I. Certain promises on which the joint communique is drafted

(1) With regard to the question of U.S. military bases in Okinawa after reversion, the Japanese Government lays special emphasis on the following points:

(a) The question must be dealt with within the framework of the Japan-U.S. Security Treaty and its existing related arrangements. Accordingly, there should be no special arrangement requiring Diet approval on the part of Japan.

(b) A confidential arrangement between the two countries would not be appropriate nor should it be required in dealing with the question.

(2) With regard to the prior consultation system as provided for in the Exchange of Notes concerning the implementation of Article Ⅵ of the Security Treaty, the considered opinion of the Japanese Government on its executive powers vis-à-vis the Diet may be summarized us following:

(a) A situation requirs prior consultation, by its vary nature, compels the Japanese Government to take a policy decision of utmost importance, which involves Japan's overriding national interest concerning the nation's own security. In the view of the Japanese Government, such a decision can be made only on the basis of individual concrete cases. Thus, should the Government make external commitments in advance as to the position it might take on certain hypothetical cases of prior consultation, without considering all the relevant factors some of which are difficult to foresee or define, it would be tantamount to renouncing, as far as such hypothetical cases are concerned, the right of final judgement reserved by the Japanese Government under the terms of the Exchange of Notes. This cannot be done without a special arrangement requiring Diet approval.

(b) On the other hand, so long as the right of final judgement is reserved, it is within the normal executive powers of the Government to state its evaluation or recognition of certain situations which it envisages, without seeking Diet approval.

Replies given by the Government to the Diet on various occasions in the past in relation to the prior consultation system have always been based on the foregoing basic principles.

Paragraph 2 of the draft communique refers to the recognition of the Japanese Government of the fact that the security of countries in the Far East has a special bearing on the security of Japan and goes on to state that "in the light of such recognition ..... the reversion ..... should be compatible with effective discharge of the international obligations assumed by the United States for the defence of countries in the Far East." Furthermore, the paper containing a statement on the position of the Japanese Government concerning Korea, attached to the draft communique, (hereinafter referred to as the statement on Korea) states that"(an armed attack against the Republic of Korea) would seriously affect the security of Japan" and "such recognition would form the basis on which the Government of Japan would determine its position vis-à-vis prior consultation....." The language is meant to be the clearest possible expression of the position of the Japanese Government, as an exercise of its executive powers within the constitutional limitations referred to in (a) and (b) above, in order to dispel the concern that U.S. interest in carrying out the international obligations might be adversely affected by the reversion. It is also intended to prevent any third party from mistakenly assuming that the Japanese Government wishes to impose undue restrictions through the prior consultation system on the use of basis in Japan, including Okinawa after reversion, by U.S. forces for military combat operations essential to the defense of countries in the Far East.

(3) The statement on Korea was not drafted as a part of the joint communique but was intended as a declaration by those responsible in the Government, to be addressed to the Japanese public through the Diet or ant other appropriate channel. The recognition of the Japanese Government of the special significance of the security of countries in the Far East in relation to Japan's own security, stated in the draft communique, does encompass a situation in which an armed attack is launched against the Republic of Korea. Yet, separate and specific reference to Korea was considered desirable because of the need to make the position of the Japanese Government unmistakably clear to any potential aggressor against the Republic of Korea in view of the mutual advantage in reaching a public understanding between the two countries which would effectively replace the Understanding of 1960. To incorporate the reference into the joint communique, however, would create an impression as if U.S. commitments to the defence of other countries in the Far East were less substantiated than in the case of the Republic of Korea - an impression which not only may have undesirable effects on the friendly relations of Japan and the U.S. with these countries but may invite a miscalculation of the intention of the free world with respect to their defence.

II. On point II. A. in the U.S. paper

The term "armed attack" is used with the same meaning as in Article 51 of the U.N. Charter and also in the Japan-U.S. Security Treaty, i.e., organized and premeditated use of force by any country, including the North Korean regime, against the Republic of Korea. Thus, the term as appears in the statement on Korea encompasses the situation envisaged in the Understanding of 1960, while such North Korean action as taken against the Pueblo and EC-121, by itself, does not fall within the definition of "an armed attack against the Republic of Korea."

However, as to the latter category of action, search and rescue operations to be undertaken from Japan by U.S. forces will not be regarded as military combat operations. Also, should the situation be considered an armed attack against the U.S. involving the common security interest of both countries, and should U.S. action be required as an exercise of the right of self-defence to meet such attack, it would be only natural for the Japanese Government to take a position consistent with the mutual interest provided that the principle of prior consultation is maintained.

III. On point II.B.

In view of what has been stated in paragraph I.(2)(a) above, it is not within the executive powers of the Japanese Government to dispense with the prior consultation system in case of an armed attack against the Republic of Korea.

Nevertheless, since the position of the Japanese Government Vis-à-vis prior consultation will be based on the "recognition" stated in paragraph 2 of the draft communique, which encompasses the "basic recognition" in the statement on Korea, it should not be too difficult to anticipate the Japanese reply to be in line with the assumption of the U.S. Government.

IV. On point II.C.

The statement on Korea encompasses the situation envisaged in the Understanding of 1960, though, to be precise, the former, covering situation of lesser urgency, is wider in scope than the latter. The Japanese Government is prepared to co-operate fully with the U.S. Government on ways and means to carry out speedy prior consultation, so that the requlrement to maintain the prior consultation system under all circumstances can be compatible with the need for effective military action.Thus, it is proposed that the Understanding of 1960 be treated as having been replaced.

V. On point II. D.

(1) The premises of the language of paragraph 2 of the draft communique have already been elaborated upon in paragraph I. (2) above. It is the view of the Japanese Government that the existence of the prior consultation system as such, with its proper operation, should not constitute restriction on the use of bases in Japan by U.S. forces for military combat operations essential to the defense of countries in the Far East. It is further considered that prior consultation may be carried out in a smooth manner if preceded by close consultations under Article IV of the Security Treaty.

(2) The safety of U.S. forces stationed in the Far East, who bear the main burden of maintaining peace and security in the area, is obviously not a matter of small concern for the Japanese Government, It may be recalled, however, that Article IV of the Security Treaty defines the purpose for which military bases in Japan may be used as "contributing to the security of Japan and the maintainance of international Peace and security in the Far East." The Treaty is not built upon such a concept as "U.S. forces wherever stationed in the Far East "; nor has the Japanese Government given any statement to the Diet in terms of such concept. In any case, it is legally impossible for the Government to give prior consent to any specific type of military combat operations.

VI. On Point II. E.

As stated in paragraph 2 of the draft communique, the security of Taiwan is a matter of serious concern for the Government of Japan. As a matter of fact, however, an armed attack against Taiwan, which is only possible with direct confrontation between the U.S. and Communist China, is considered less likely to occur than one against the Republic of Korea.

VII. On point II. F.

The term "Far East" in the draft communique is used with the same meaning as it appears in the Japan-U.S. Security Treaty. The Japanese Government, with the understanding of the U.S. Government, submitted to the Diet on February 23, 1960, the official definition of the term as used in the Treaty. According to this definition, Viet Nam is not included in the "Far East", but is considered to be covered by its "surrounding areas."

It may be recalled in this connection that the official Definition clarified the term "surrounding areas" in relation to U.S. action under the Treaty in the following terms:

"The scope of U.S. action to be undertaken in case an armed attack is launched against the area(the Far East) or the security of the area is threatened by situations arising in surrounding areas, depends on the nature of the attack or the threat and will not necessarily be confined to the said area."

It may be further added that, as stated in the official definition, "if such U.S. action involves military combat operations, the use of facilities in Japan for the operation will naturally require prior consultation with the Government of Japan," while the use of the facilities for logistic activities will not be subject to prior consultation.

<26ページ目 欄外上>

極秘 まで 8部の●{前1文字  解読不能}3号{前10文字スタンプ}

<26ページ目 欄外右>

別添二{前3文字手書き}

四四・七・十六

 (米側質問Ⅱに関する見解)

一 共同声明案の前提

(1) 返還後の沖縄における米軍基地の問題に関し、日本政府が特に重視している点は、次のとおりである。

(a) 本件は、日米安保条約及び現行の関連諸取極のわく内で処理されるべきこと。したがつて、日米間において、国会の承認を要する特別の取極を必要としないこと

(b) 本件のために、日米間において秘密取極を行なうことは、適当な処理とは考えられず、また、その必要もないこと

(2) 第六条の実施に関する交換公文に定める事前協議についての日本の行政府と国会との関係に関する日本政府のconsidered opinionは、要約すれば次のとおりであり、るい次の国会における政府答弁もこの見解に基づいてなされている。

(a) 事前協議が行なわれる事態とは、日本にとつては、とりもなおさず、自国の安全に関する重大な国家利益を左右する政策決定を要求される場合といえよう。日本政府としては、かかる決定は、当然に個個の具体的ケースに基づき行なわれるべきものと考える。かりに、政府が、事前協議の際に考慮に入れるべきすべての要因(予測や定義{前1文字手書き}が困難なものを含む。)を検討せずに、一定の仮定の下に日本政府がとるべき態度につき対外的コミットメントを行なうとすれば、想定される事態に関する限り、交換公文により日本政府が留保している最終的判断の権利を放棄するに等しいので、これは、国会の承認を要する特別の取極なくしては行なえない。

(b) 他方、具体的ケースについての政府の諾否の最終的判断の権利が留保されていさえすれば、行政府が、特定の予想される事態に対する評価ないし認識を述べることは、行政府の有する正常な権限の範囲内の行為であり、国会承認を得べき特別の取極なくして行ないうることである。

共同声明案の第二項は、日本政府が極東の諸国の安全と日本の安全との関係に関する「認識」を確認し、「日本政府のかかる認識に照らせば、、、沖縄の施政権返還は、、、、極東の諸国の防衛のために合衆国が負つている国際義務の効果的遂行と両立しうべきものである」と述べており、特に、共同声明案に添付された韓国に関する日本政府の立場の表明のペーパー(以下「韓国に関するステートメント」という。)は、「(大韓民国に対する武力攻撃は、)日本国の安全に重大な影響を及ぼすものであるとの日本国政府の基本的認識を明らかにし、、、、、、事前協議に対して日本国政府がとるべき態度は、かかる基本的認識に立つて決定される」と述べている。これらの文言は、前期見解の(a)の制約のわく内で、その(b)に従い、極東の諸国の防衛のための国際義務の遂行上の米国の利益が返還により害されるのではないかとの憂慮を払しょくするとともに、日本政府が、これらの諸国の防衛のために不可欠な米軍の戦闘作戦行動のための日本国内(返還後の沖縄を含む。)の基地の使用を事前協議制により不当に制約しようとの意図を有するかのごとき印象を第三者に与えることを避けるため、行政府として法的に述べうる最大限を表現することを意図したものである。

(3) 韓国に関するステートメントは、日本政府の責任ある者が国会を通じる等適当な方式により日本国民に対して行なうことを予想したものであり、共同声明の一部をなすものとして起草されたものではない。韓国に対する武力攻撃の場合も、極東の諸国の安全に対する日本政府の認識に関する共同声明の部分に含まれており、ただ、朝鮮半島における緊張が続いているときに、韓国に対するpotential aggressorが、日本政府の態度を誤解することがないようにしておく必要があること及び一九六〇年の了解に実質的にとつて代わる公け{前1文字挿入(手書き)}の了解を両国間で遂げることが望ましいことから、別途の取り扱いをせんとするものである。韓国についての特記を共同声明に含めることは、極東の他の諸国の防衛のための米国のコミットメントが、韓国に対するものと比較してより弱いものであるかのごとき印象を共同声明を読む者に与え、これらの諸国と日米両国の外交関係に好ましくない影響を与えるおそれがあるのみならず、これら諸国の防衛に対する自由諸国側の意図を誤解せしめるおそれがあろう。

二 (米側ペーパーⅡ・Aに関し)

 韓国に対する「武力攻撃」とは、国連憲章第五十一条及び日米安保条約にいう武力攻撃と同一と解しており、韓国に対して一国(北鮮政権を含む)の組織的、計画的な武力の行使が行なわれる場合を考えているものである。したがつて、韓国に関するステートメントにいう「韓国に対する武力攻撃」は、一方において一九六〇年の了解における事態を含むものであるが、他方においてブエブロ号、EC121に対し北鮮のとつた行動のごときもの自体を含むものではない。

 しかしながら、後者のごとき場合において、米軍が日本から行なうsearch and rescueの行為自体は、日本からの戦闘作戦行動とは観念されず、また、事態が、両国共通の安全保障上の利益に影響を及ぼすような米国に対する武力攻撃と認められ、これに対処する自衛権発動としての米軍の行動が行なわれる場合には、事前協議のたてまえが維持される限り、日本政府が相互の利益に合致する立場をとるべきことは当然であろう。

三 (Ⅱ・Bに関し)

 前記一(2)(a)にかんがみ、韓国に対する武力攻撃発生の場合に事前協議が行なわれるたてまえを放棄することは法律的にはできない。しかしながら、そのような場合の事前協議に対する日本政府の立場は、共同声明案の第二項にいう「認識」及びこれに含まれている韓国に関するステートメントにいう「基本的認識」を基礎とする以上、日本政府の回答が、米国政府の期待する性質のものであろうことは容易に想像されるところであろう。

四 (Ⅱ・Cに関し)

 韓国に関するステートメントは、一九六〇年の了解が予見する事態をカヴァーするものである。厳密にいえば、前者は、後者が予見する事態よりも緊急度が低い場合をもカヴァーする点で、その範囲が広い。日本政府は、いかなる場合でも事前協議が行なわれるたてまえと効果的な軍事行動の必要性とが両立しうるように、迅速な事前協議の行ない方に関し、米国政府と十分協力する用意がある。したがつて、一九六〇年の了解は、とつて代わられたものとして取り扱うこととしたい。

五 (Ⅱ・Dに関し)

(1) 共同声明案第二項の表現の前提は、前記一(2)のとおりであり、事前協議の適正な運用が行なわれれば、極東の諸国の防衛のために不可欠な米軍の戦闘作戦行動のための日本国内の基地の使用が、事前協議制度があるがゆえに制約されるということはないというのが日本政府の見解である。また、安保条約第四条に基づく協議が緊密に行なわれるならば、事前協議も円滑に運用できると考える。

(2) なお、極東に所在する米軍は、極東の平和・安全の維持の重要なにない手であるがゆえに、そのsafetyは、日本政府にとつてnot a matter of small concernであることは論をまたないところであるが、安保条約第六条は、米軍による日本国の基地の使用目的を「日本国の安全に寄与し、並びに極東における国際の平和及び安全の維持に寄与するため」と定め、「極東に所在する米軍」という概念によるとらえ方をしておらず、日本政府としても従来からの国会答弁においてこのようなとらえ方による説明をいつさいしていない。いずれにせよ、日本政府が、特定の種類の戦闘作戦行動に対し、あらかじめ同意を与えることは法的に不可能である。

六 (Ⅱ・Eに関し)

 台湾の安全は、共同声明案第二項にいうとおり、日本国の重大な関心事であるが、他方、韓国の場合と異なり、現実の問題として、米中間の直接の対決なくしては不可能な台湾に対する武力攻撃の発生の可能性は少ないものと考えている。

七 (Ⅱ・Fに関し)

 共同声明案にいう「極東」は、日米安保条約にいう「極東」と同意義に用いられたものであり、同条約にいう「極東」は、同条約締結当時、米国政府との了解の下に日本政府が一九六〇年二月二十三日に国会において示した統一見解に説明されているとおりである。右見解によれば、ヴィエトナムは「極東」に含まれておらず、極東の「周辺地域」に該当するものと観念されている。

 なお、周辺地域と同条約に基づく米国の行動との関係について、同統一見解の次の項が明確に説明している。すなわち、「、、、この区域(「極東」)」に対して武力攻撃が行なわれ、あるいは、この区域の安全が周辺地域に起こつた事情のため脅威されるような場合、米国がこれに対処するためにとることのある行動の範囲は、その攻撃又は脅威の性質いかんにかかるのであつて、必ずしも前記の区域に局限されるわけではない。」さらに付け加えれば、統一見解も述べているように「かかる米国の行動が戦闘行動を伴うときは、そのための日本の施設の使用には、当然に日本政府との事前協議が必要となつている」のであり、反面補給活動のための日本の基地の使用は事前協議の対象とならないのである。

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極秘 無期限 6部の内 6号{前11文字スタンプ}

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別添三{前3文字手書き}

SECRET

Comments on U.S. Statement of Purposeof Nuclear Weapons

1. It is noted that the U.S. statement describes tactical nuclear weapons as constituting a credible deterrent in the Western Pacific.

2. The U.S. statement treats tactical nuclear weapons in the Western Pacific as deterrents against the U.S.S.R. and Communist China, without detailed reference to North Korea. Comments on this point are as follows:

(1) The significance of tactical nuclear weapons in the Western Pacific as a deterrent power vis-à-vis the Soviets, though understandable in the context of the world-wide nuclear balance, still seems to be different from that of tactical nuclear weapons stationed in Western Europe, and therefore not as meaningful.

(2) The threat from Communist China is at present mainly composed of (a) the very existence of a 700 million-strong nation possessed of nuclear offensive capabilities,(b) the unpredictability of its foreign policy, and (c) its posture of support for "peoples' liberation wars" in the nations on its periphery. Against this threat, tactical nuclear weapon in the Western Pacific would have a certain psychological deterrent effect; yet the significance of these weapons seems to lie in fact in the Chinese judgment of the role these have to play in the larger context of the future Sino-American nuclear relationship including strategic weapons.

3. The question remains whether the stationing of tactical nuclear weapons in post-reversion Okinawa is essential.

(1) Sine it is the U.S. which actually bears the burden of militarily maintaining the equilibrium of force in the Far East, it is not intended here to make any categorical assertions on this question from the military standpoint.

(2) The Japanese position concerning nuclear weapons vis-à-vis mainland Japan and post-reversion Okinawa is that it is fundamentally a political problem involving national emotions. A special and strong feeling against nuclear weapons has existed for a long time in Japan since the end of the war and remains predominant.

(3) Therefore, a solution recognizing the stationing of nuclear weapons, whether strategic or tactical, on post-reversion Okinawa is politically unacceptable for Japan.