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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 小笠原諸島の復帰に伴う佐藤内閣総理大臣の談話

[場所] 
[年月日] 1968年6月25日
[出典] 佐藤内閣総理大臣演説集(1),200頁.
[備考] 
[全文]

 本日,小笠原諸島がわが国に復帰いたしました。同諸島は,昭和二十一年一月わが国の施政権から分離されて以来二十余年にわたりアメリカ合衆国の統治下に置かれてきたのでありますが,昨年十一月のアメリカ合衆国大統領とわたくしとの会談の際,その返還について基本的な合意に達し,さる四月五日「南方諸島及びその他の諸島に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定」の締結をみるに至つたのであります。沖縄の祖国復帰に先だち,まず小笠原諸島が復帰いたしましたことは,関係住民の方々はもとより全国民の念願がここに成就したものであり,まことに慶祝に堪えません。

 政府は,小笠原諸島が今後明るく住みよい島に復興発展するよう医療,教育,社会福祉等の必要な対策を講ずるとともに,産業開発を計画的に推進して参りたいと考えます。