データベース「世界と日本」(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 相互協力及び安全保障条約についての合意された議事録

[場所] ワシントン
[年月日] 1960年1月19日
[出典] 外交青書4号,244頁.
[備考] 
[全文]

日本国全権委員

 日本国との平和条約第三条の規定に基づいて合衆国が施政を行なつている諸島の地位の問題は,条約交渉の過程において討議の対象とされなかつたが,本全権委員は,日本国がこれらの諸島に対する潜在的主権を有しているので,これらの諸島民の安全に対し日本国の政府及び国民の有する強い関心を強調したいと思う。もしこれらの諸島に対し武力攻撃が発生し,又は武力攻撃の脅威がある場合には,両国は,もちろん相互協力及び安全保障条約第四条の規定に基づいて緊密に協議を行なう。武力攻撃が発生した場合には,日本国政府は,同政府が島民の福祉のために執ることのできる措置を合衆国とともに検討する意図を有する。

合衆国全権委員

 これらの諸島に対する武力攻撃が発生した場合には,合衆国政府は,日本国政府と直ちに協議し,また,これらの諸島の防衛のため必要な措置を執り,かつ,島民の福祉を確保するため全力を尽くす意図を有する。

 千九百六十年一月十九日にワシントンで

                            N・K

                            C・A・H