データベース「世界と日本」(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] ネバダ核実験に関する日米往復書簡,ネバダ核実験に関する対米申入

[場所] 
[年月日] 1957年4月29日
[出典] 日本外交主要文書・年表(1),799頁.外務省情報文化局「外務省発表集」第5号,108頁.
[備考] 要旨
[全文]

 核実験の中止を求める日本国民の熱烈且つ真撃なる要望は昨年のエニウェトックの実験に際し,又本年三月の参議院の決議を伝達するに際し,既に米国政府に申入れたとおりであり,日本国民は原子力の利用を平和目的に限定すること,及び核実験はその実施地の如何に拘わらず人類に及ぽす重大なる危険にかんがみ人道的考慮からすべて中止されることを強く希望している。

 日本国民のこの危倶及び強い希望はクリスマス島の英国の実験及びソ連の国内における数次の無警告の実験についても同様でありその中止をそれぞれ英ソに申入れている。

 今回米国原子力委員会が五月十五日頃からネヴァダ州で行う旨を発表した核実験に対し日本国民は深い憂慮を有する。

 日本政府は日本国民の人道に基く核実験禁止の要望に対し米国政府が重ねて慎重なる考慮を払われるよう要望する。