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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] マレーシアとの「血債」協定(日本国とマレイシアとの間の千九百六十七年九月二十一日の協定)

[場所] クアラルンプール
[年月日] 1967年9月21日
[出典] 日本外交主要文書・年表(2),724−725頁.
[備考] 
[全文]

 日本国政府及びマレイシア政府は、

 第二次世界大戦の間のマレイシアにおける不幸な事件に関する問題の解決が日本国とマレイシアとの間の友好関係の増進に寄与することを認め、

 両国間の経済協力を促進することを希望して、

 次のとおり協定した。

第一条

1 日本国は、現在において二千五百万マレイシア・ドル(二五、〇〇〇、〇〇〇マレイシア・ドル)の価値に等しい二十九億四千万三千円(二、九四〇、〇〇三、〇〇〇円)の価値を有する日本国の生産物及び日本人の役務をマレイシアに無償で供与するものとする。

2 前記の生産物及び役務の供与は、この協定の効力発生の日から三年の期間又は両国政府が今後合意することのある一層長い期間にわたつて行なわれるものとする。

3 1及び2に定める生産物及び役務は、まず外航用の新造貨物船二隻の建造のために、及び両国政府が合意することのあるその他の計画のためにあてられるものとする。

4 両国政府は、この条の規定の実施のため、必要な取極を締結するものとする。

第二条

 マレイシア政府は、両国間に存在する良好な関係に影響を及ぼす第二次世界大戦の間の不幸な事件から生ずるすべての問題がここに完全かつ最終的に解決されたことに同意する。

第三条

 この協定は、それぞれの政府によりその憲法上の手続に従つて承認された旨を通知する公文が交換された日に効力を生ずる。

 以上の証拠として、下名は、それぞれの政府から正当に委任を受け、この協定に署名した。

 千九百六十七年九月二十一日にクアラ・ルンプールで、英語により本書二通を作成した。

日本国政府のために

小島太作

マレイシア政府のために

トゥンク・アブドル・ラーマン・プトラ