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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 日本国とフィリピン共和国との間の友好通商航海条約第一条に関する交換公文

[場所] 
[年月日] 1960年12月9日
[出典] 外交青書5号,274頁.
[備考] 訳文
[全文]

(日本側書簡)

 書簡をもって啓上いたします。本使は、日本国とフィリピン共和国との間の友好通商航海条約に署名するに当たって、同条約第一条の規定に言及する光栄を有します。同規定によれば、いずれの一方の締約国の国民も、他方の締約国の領域への入国並びに同領域内における滞在、旅行及び居住に関するすべての事項について、いかなる第三国の国民に与えられる待遇よりも不利でない待遇を与えられることとなっております。

 前記の待遇を具体的に定めることが実際上不可能であるので、本使は、前記の規定の適用に関し、いずれの一方の締約国の国民も他方の締約国の領域への入国及び同領域内における滞在に関してはこの書簡の附属書に掲げる待遇を亭受する権利を有するという本国政府の了解を閣下に通報いたします。いずれか一方の締約国の関係法令になんらかの改正が行なわれた場合には、両政府は、必要あるときは、この書簡の附属書に適当な修正を加えるものとします。

 本使は、さらに、閣下が前記の了解を貴国政府に代わつて確認されることを要請する光栄を有します。

 本使は、以上を申し進めるに際し、ここに閣下に向かって敬意を表します。

千九百六十年十二月九日

フィリピン共和国駐在

日本国大使  湯川盛夫

フィリピン共和国全権委員団長

J・B・ラウレル・ジュニア閣下