データベース「世界と日本」(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 日米安全保障協議委員会(「2+2」)共同発表(2005年2月19日)

[場所] ワシントンDC
[年月日] 2005年2月19日
[出典] 外務省
[備考] 
[全文]

1.2005年2月19日、ワシントンにおいて、日米安全保障協議委員会(SCC)が開催され、ライス国務長官及びラムズフェルド国防長官は、町村外務大臣及び大野防衛庁長官を同委員会の場で迎えた。閣僚は、日米両国が直面している安全保障上の問題及び日米同盟に係る問題並びに両国関係に関するその他の問題について協議を行った。

今日の世界が直面する課題に対する共同の取組

2.閣僚は、日米両国間の協力関係が、安全保障、政治、経済といった幅広い分野で極めて良好であることに留意した。閣僚は、日米安全保障体制を中核とする日米同盟関係が日米両国の安全と繁栄を確保し、また、地域及び世界の平和と安定を高める上で死活的に重要な役割を果たし続けることを認識し、この協力関係を拡大することを確認した。

3.閣僚は、既に成果を生み出している、アフガニスタン、イラク及び中東全体に対する国際的支援の供与における日米両国のリーダーシップの重要性を強調した。閣僚は、インド洋における地震及びそれに続く津波災害の被害者に対する幅広い支援を行うに当たり、日米間の協力が他の国の参加を得て成功裡に行われていることを賞賛した。

4.閣僚は、不拡散、特に拡散に対する安全保障構想(PSI)を推進する上で、日米両国間の協力と協議が中枢的な重要性を有してきたことを認識した。閣僚は、日本、米国及び他の国が主催した多数国間の阻止訓練が成功裡に行われたことを歓迎した。

5.閣僚は、弾道ミサイル防衛(BMD)が弾道ミサイル攻撃に対する日米の防衛と抑止の能力を向上させるとともに、他者による弾道ミサイルへの投資を抑制することについての確信を表明した。閣僚は、日本による弾道ミサイル防衛システムの導入決定や武器輸出三原則等に関する最近の立場表明といったミサイル防衛協力における成果に留意しつつ、政策面及び運用面での緊密な協力や、弾道ミサイル防衛に係る日米共同技術研究を共同開発の可能性を視野に入れて前進させるとのコミットメントを再確認した。

共通の戦略目標

6.閣僚は、国際テロや大量破壊兵器及びその運搬手段の拡散といった新たに発生している脅威が共通の課題として浮かび上がってきた新たな安全保障環境について討議した。閣僚は、グローバル化した世界において諸国間の相互依存が深まっていることは、このような脅威が日本及び米国を含む世界中の国々の安全に影響を及ぼし得ることを認識した。

7.閣僚は、アジア太平洋地域においてもこのような脅威が発生しつつあることに留意し、依然として存在する課題が引き続き不透明性や不確実性を生み出していることを強調した。さらに、閣僚は、地域における軍事力の近代化にも注意を払う必要があることに留意した。

8.閣僚は、北朝鮮が六者会合に速やかにかつ無条件で復帰するとともに、検証の下、透明性のある形でのすべての核計画の完全な廃棄に応じるよう強く要求した。

9.国際的な安全保障環境に関するこのような理解に基づき、閣僚は、両政府が各々の努力、日米安保体制の実施及び同盟関係を基調とする協力を通じて共通の戦略目標を追求するために緊密に協力する必要があることで一致した。双方は、これらの共通の戦略目標に沿って政策を調整するため、また、安全保障環境に応じてこれらの目標を見直すため、定期的に協議することを決定した。

10.地域における共通の戦略目標には、以下が含まれる。

・日本の安全を確保し、アジア太平洋地域における平和と安定を強化するとともに、日米両国に影響を与える事態に対処するための能力を維持する。

・朝鮮半島の平和的な統一を支持する。

・核計画、弾道ミサイルに係る活動、不法活動、北朝鮮による日本人拉致といった人道問題を含む、北朝鮮に関連する諸懸案の平和的解決を追求する。

・中国が地域及び世界において責任ある建設的な役割を果たすことを歓迎し、中国との協力関係を発展させる。

・台湾海峡を巡る問題の対話を通じた平和的解決を促す。

・中国が軍事分野における透明性を高めるよう促す。

・アジア太平洋地域におけるロシアの建設的な関与を促す。

・北方領土問題の解決を通じて日露関係を完全に正常化する。

・平和で、安定し、活力のある東南アジアを支援する。

・地域メカニズムの開放性、包含性及び透明性の重要さを強調しつつ、様々な形態の地域協力の発展を歓迎する。

・不安定を招くような武器及び軍事技術の売却及び移転をしないように促す。

・海上交通の安全を維持する。

11.世界における共通の戦略目標には、以下が含まれる。

・国際社会における基本的人権、民主主義、法の支配といった基本的な価値を推進する。

・世界的な平和、安定及び繁栄を推進するために、国際平和協力活動や開発支援における日米のパートナーシップを更に強化する。

・NPT、IAEAその他のレジーム及びPSI等のイニシアティブの信頼性及び実効性を向上させること等を通じて、大量破壊兵器及びその運搬手段の削減と不拡散を推進する。

・テロを防止し、根絶する。

・現在の機運を最大限に活用して日本の常任理事国入りへの希望を実現することにより、国連安全保障理事会の実効性を向上させるための努力を連携させる。

・世界のエネルギー供給の安定性を維持・向上させる。

日米の安全保障及び防衛協力の強化

12.閣僚は、日米双方の安全保障及び防衛政策の発展のための努力に対し、支持と評価を表明した。日本の新たな防衛計画の大綱は、新たな脅威や多様な事態に実効的に対応する能力、国際的な安全保障環境を改善するための積極的な取組及び日米同盟関係の重要性を強調している。米国は、幅広い国防の変革努力の中心的な要素の一つとして、不確実な安全保障環境において適切かつ戦略的な能力を保持し得るように世界的な軍事態勢の見直し及び強化を進めている。閣僚は、日米両国が共通の戦略目標を追求する上で、これらの努力が実効的な安全保障及び防衛協力を確保し、強化するものであることを確認した。

13.この文脈で、閣僚は、自衛隊及び米軍が多様な課題に対して十分に調整しつつ実効的に対処するための役割、任務、能力について、検討を継続する必要性を強調した。この検討は、日本の新たな防衛計画の大綱や有事法制、及び改正ACSAや弾道ミサイル防衛における協力の進展といった最近の成果と発展を考慮して行われる。閣僚は、また、自衛隊と米軍との間の相互運用性を向上させることの重要性を強調した。

14.閣僚は、この検討が在日米軍の兵力構成見直しに関する協議に資するべきものであるとの点で一致した。閣僚は、日本の安全の基盤及び地域の安定の礎石としての日米同盟を強化するために行われる包括的な努力の一環として、在日米軍の兵力構成見直しに関する協議を強化することを決定した。この文脈で、双方は、沖縄を含む地元の負担を軽減しつつ在日米軍の抑止力を維持するとのコミットメントを確認した。閣僚は、事務当局に対して、これらの協議の結果について速やかに報告するよう指示した。

15.閣僚は、また、地域社会と米軍との間の良好な関係を推進するための継続的な努力の重要性を強調した。閣僚は、環境への適切な配慮を含む日米地位協定の運用改善や沖縄に関する特別行動委員会(SACO)最終報告の着実な実施が、在日米軍の安定的なプレゼンスにとって重要であることを強調した。

16.閣僚は、現行の特別措置協定が2006年3月に終了することに留意しつつ、特別措置協定が在日米軍のプレゼンスを支援する上で果たす重要な役割にかんがみて、接受国支援を適切な水準で提供するための今後の措置について協議を開始することを決定した。