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政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 海上保安庁法の一部を改正する法律

[場所] 
[年月日] 2001年11月2日
[出典] 官報
[備考] 
[全文]

法律第百十四号

海上保安庁法の一部を改正する法律

 海上保安庁法(昭和二十三年法律第一一十八号)の一部を次のように改正する。

 第十八条第一項第三号中「船内にある者」の下に「(以下「乗組員等」という」を加え、同条第二項中「乗組員、旅客その他船内にある者」を「乗組員等」に改める。

 第二十条中「第七条」の下に「の規定」を加え、同条に次の一項を加える。

 前項において準用する警察官職務執行法第七条の規定により武器を使用する場合のほか、第十七条第一項の規定に基づき船舶の進行の停止を繰り返し命じても乗組員等がこれに応ぜずなお海上保安官又は海上保安官補の職務の執行に対して抵抗し、又は逃亡しようとする場合において、海上保安庁長官が当該船舶の外観、航海の態様、乗組員などの異常な挙動その他周囲の事情及びこれらに関連する情報から合理的に判断して次の各号のすべてに該当する事態であると認めたときは、海上保安官又は海上保安官補は、当該船舶の進行を停止させるために他に手段がないと信ずるに足りる相当な理由のあるときには、その事態に応じ合理的に必要と判断される限度において、武器を使用することができる。

一 当該船舶が、外国船舶(軍艦及び各国政府が所有し又は運航する船舶であって非商業的目的のみに使用されるものを除く。)と思料される船舶であつて、かつ海洋法に関する国際連合条約第十九条に定めるところによる無害通航でない航行を我が国の内水又は領海において現に行つていると認められること(当該航行に正当な理由がある場合を除く。)

二 当該航行を放置すればこれが将来において繰り返し行われる蓋然性があると認められること。

三 当該航行が我が国の領域内において死刑又は無期若しくは長期三年以上の懲役若しくは禁錮に当たる凶悪な罪(以下「重大凶悪犯罪」という。)犯すのに必要な準備のため行われているのではないかとの疑いを払拭することができないと認められること。

四 当該船舶の進行を停止させて立入検査をすることにより知り得べき情報に基づいて適確な措置を尽くすのでなければ将来における重大凶悪犯罪の発生を未然に防止することができないと認められること。

 第二十九条中「職権」の下に「(第二十条第二項に規定するものを除く。)」を加える。

附則

この法律は、公布の日から施行する。

国土交通大臣 林寛子

内閣総理大臣 小泉純一郎